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2013 Jul.8
『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』特別インタビュー Vol.1・前編

シリコンバレーへのMBA留学、そして起業! 太陽光発電に賭ける金当一臣の「夢」

今年3月に出版された『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』(中央経済社)は、「多くの人が世界中から集まる学生たちとディスカッションし、自分を磨き、グローバル人材としてはばたいてほしい」というMBA留学経験者たちの思いが込められた1冊。

この特集では、「本では伝えきれなかった!」という著者の方をお招きし、夢や生き方について熱く語っていただくコーナーです。今回はMBAホルダーであり、起業家でもある金当一臣さんをゲストにお招きしてお話を伺いました。12年半勤めた大手商社を退職しての私費でのMBA留学、そして起業。そこには大きな「決断」があったはず。個人力で勝負するこの時代、金当さんを支えた「夢」とは何なのか。2回に渡ってインタビューをお届けします。

聞き手:スルガ銀行d-laboスタッフ 杉山拓也・和智あゆ美

	『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』特別インタビュー Vol.1・前編 シリコンバレーへのMBA留学、そして起業! 太陽光発電に賭ける金当一臣の「夢」

「途上国の町に灯りをともしたい」 発電事業を志し商社へ

金当さんインタビューの様子

杉山金当さんは昨年9月に太陽光発電事業に特化した新会社パシフィコ・エナジー株式会社を設立されました。丸紅の商社マンだった金当さんがどうしてMBA留学をしたのか、そしてどうして「起業」に至ったのか、今日はその辺のお話をお聞きしたいと思います。金当さんにとって「起業」は昔からの夢だったのでしょうか。

金当いや、そんなことは全然なくて商社マンになったばかりの頃は一生この会社で働いていくんだと思っていました。僕は電力事業がやりたくて丸紅に入ったんです。会社では希望通り発電事業の部署に配属されて、入社1年目からミャンマーに行ったりしていました。当時は、ミャンマーの電力の30パーセントくらいは丸紅が手がけていました。そうした関係から、新入社員でありながらミャンマーの大臣に面会させていただいたりと、ほかではできないような経験をさせてもらっていました。

和智電力事業をやりたいという思いはいつ頃からお持ちだったんですか。

金当僕は学生時代、理工学部でITを学んでいたんです。卒業後は大学院でさらにITを学ぶか、IT関連企業に就職するのが自然な流れです。どちらの道に進むか迷っていたときに、大学のOBで、海外での発電事業で従事している方とお話しする機会がありました。その先輩は、自分が過去に発電事業を手がけた国をあるときまた訪れたそうなんです。夜、空港に着陸するために高度を下げた飛行機の窓から外を覗くと、町が煌煌と輝いていた。「これ、俺がやったんだ……」。そのとき先輩が感じた誇りや達成感といった思い、それが僕の胸の中でも膨らんで、「よし、自分も」という気持ちになったのです。それからずっと電力事業をやりたいと考えていて、丸紅に入ったのもこの会社が発電事業に強いと知ったからでした。

杉山発展途上国のインフラストラクチャーを整備する。非常にやりがいがある仕事ですね。

金当ミャンマー以外でも、マレーシア、香港、中国……。出張もありましたし、現地に赴任することもありました。日本にいるときもアジアや欧米の企業との交渉や折衝で忙しく、終電に乗れずタクシーで帰るような毎日でした。やりたい仕事でしたし充実はしていました。ただ、疑問を抱かないわけでもなかった。僕がつくっていた発電所は火力など化石燃料を使う発電所だったんです。火力発電は二酸化炭素を発生させて地球を温暖化させる。それを考えると子供や孫に対し「自分は社会に貢献しているんだ」と100パーセント胸を張ることはできなかったのです。転機となったのは、1997年か98年くらいだったでしょうか、風力や太陽光発電といったものが今ほどではないのですが注目を集めはじめて、僕もそこに可能性を感じるようになったんです。

自然エネルギーへの関心。そしてMBA留学

杉山金当さんは2008年から1年間、シリコンバレーに近いスタンフォード大学に個人でMBA留学されていますね。結果的にはこの留学を契機に商社をお辞めになられたわけですが、MBA取得を志すに至った経緯を教えていただけますでしょうか。

金当香港に赴任していた時に、投資銀行に勤めていたMBAホルダーの友人と話していてその視野の広さやビジネスに対する考え方に感銘するところがあったんです。ちょうどそんな頃、シリコンバレーの辺りではITブームが一段落してグリーンテクノロジーがトレンドになっていて、それに関連した会社もいくつも生まれていました。その現場を確かめてみたいと思いましたし、留学をしてもう一度アカデミックな世界に身を置きたいと思ったのです。そして何より自然エネルギーで世の中を変えてみたいという思いが強かった。こんなふうにいくつかの思いからMBA留学に気持ちが向いていったんです。ただ、最初はそれを会社員としてやるつもりだった。社費で留学し、会社の中で太陽光発電を事業化しようと。社内で相談したところ部長までは合意してくださったのですが、最終的な上の判断は「NO」。普通ならここであきらめますよね。社費で行くのと個人で行くのでは費用が桁違いですし、それまでのキャリアも捨てることになる。ただ僕には、一度こうと決めたら曲げないというへんな頑固さがあるんですよね(笑)。自然エネルギーをやるなら今がチャンスなんだ。行かないともったいない。なら行こう、と。

杉山人生が「Change」した瞬間ですよね。自ら変えたというか……。

金当ある場所でソフトバンクの孫さんが「決断とは決めて絶つ」ことだとおっしゃっていましたが、まさにその通りですね。もちろん、信頼できる人にも相談しました。幸い僕にはメンターと呼べる人がいたのです。仕事でお世話になっていたマレーシアの華僑の方で、その方に相談したところ、「会社がサポートしないなら俺がサポートする。本当に自分で思ったことを信じるのだったら行け」と、スタンフォード大学宛てに推薦状を書いてくれました。

和智留学の準備や留学中のことは共著で出版された『世界は君を待っている!MBA留学とグローバルリーダーシップ』(中央経済社)に書かれていますね。ご家庭を持ちながらの留学は大変ですし、それまでの価値観を壊されたりもしたみたいですね。

金当留学してそれまでの価値観は全部壊されました。それもどん底まで。留学をしたら、とにかくそれまでの自分は捨てなければならない。変なプライドとかを持っているとそれがすごく邪魔をするんです。僕はMBA留学前までは年間数百億円規模の契約を成立させたりだとか、1,200億円の投資プロジェクトのプロジェクトマネージャーをしていたりとか、同期の皆んなや日本のビジネスマンであればほとんどの方が憧れる商社の花形の部門にいましたが、向こうに行くと「君はそれで何の価値を創造したの?」と聞かれたりするんです。見方が全然違うのです。いままで自分はピラミッドの頂点で輝いていたはずなのに、金メッキがぼろぼろはがれて底辺に下がってしまった感じでしたね。そうなるとまわりの人間がみんな優秀に見えて自分がいちばん劣っているのではないかと落ち込んでくる。人生で初めて劣等感を感じた瞬間でもありました。首尾よくスタンフォード大学に入れたはいいが、とてもやっていけそうにない。それで思わず妻に「無理だ。みんな優秀過ぎる」と泣きついたら、「わたしと子供をおいて留学しておきながら何泣き言を言っているの!」と、がつんとやられまして、それで目が覚めたというか(笑)。それからはどうにかいい成績もとれて無事卒業することができました。妻には本当に感謝しています。

MBA留学時の金当さんMBA留学時の金当さん
MBA留学時の金当さん

MBA留学は個人と個人のぶつかりあい

金当さんインタビューの様子

和智MBA留学というといろんな国の方が集まっていますよね。そのなかで学ぶというのはどういった所が大変なのですか。

金当日本で詰め込み型の教育を受けた人間は、誰もが積極的に発言する環境に慣れるまでが大変です。MBA留学ではゼロからの発想が求められる。たとえ何も知らないことでも発言できるといった能力を持つ人たちが評価されるんです。日本人だとディスカッションの場でも阿吽の呼吸みたいなのがあるじゃないですか。それがまったくない。全部自分のところに持っていこうとする。

和智場の空気を読まないんですか。

金当そうですね、みんな自分の主張を通そうとするんです。それが間違っていてもかまわない。なぜならば、失うものが何もないからです。こういう人たちと渡りあっていくにはロジックがないといけません。ロジックがないと負ける。そうやってつぶされるのもまた勉強だったりするんですが。

杉山私もMBA留学をしたのでわかるのですが、実は日本人の方がロジカルに考えることはしていると思います。ただ、日本人は喋る前に考え過ぎてしまうんですよね。

金当そうですね。個人で主張をぶつけあわなければいけない場面だと、どうしても日本人は分が悪い。商社時代、ブルネイのプロジェクトで、インド人やマレーシア人、フランス人、アメリカ人といった多国籍のメンバーで仕事をしたことがあったんです。実際のビジネスの場面ではお互い会社のことが頭にあったりするから譲り合ったりもする。会社のしがらみがなく、あくまでも個と個で勝負する場ではぶつかりあいの質がまったく違うんです。しかし自分を信じて、何を主張しなきゃいけないのか、どうやって相手を説得すればいいのか、みんなそこを大切にして発言する。振り返ってみると、こういう場所に身を置くことができたのはやはり幸せです。MBA留学に本当に行ってよかった。起業の決断ができたのもMBA留学での体験があったからこそだと思います。

※次回はMBA修了後の金当さんの活躍、太陽光発電事業についてお聞きします。

Information 1

パシフィコ・エナジー株式会社代表取締役社長 金当 一臣氏

1972年、東京都生まれ。95年慶応義塾大学理工学部卒業、丸紅入社。海外電力プロジェクト部でアジア諸国の発電・送配電施設の建設、投資事業に従事。2008年、スタンフォード大学経営大学院修士課程修了。2011年、東京大学イノベーションマネジメントスクール卒業。MBA取得後は、ユーラスエナジーホールディングス、アセア・ブラウン・ボベリ社で、日本、ヨーロッパ、北米での太陽光、太陽熱発電プロジェクトの事業開発を担当。2012年、日本の太陽光発電事業に特化したパシフィコ・エナジー株式会社を設立。現在、プロジェクトを推進中。

パシフィコ・エナジー株式会社代表取締役社長 金当 一臣氏

Information 2

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