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2018 Oct.11
SURUGA Cycle Journal Vol.29

最大標高差1,193メートル!
北遠の森を走る天竜スーパー林道ヒルクライム

最大標高差1,193メートル!北遠の森を走る天竜スーパー林道ヒルクライム

こんにちは!浜松市天竜区のサイクリストの渡辺と申します。

自転車歴は7年。RCC(Rapha Cycle Club)のメンバーでもあり、日々仲間と一緒に走ることを楽しんでいます。特に地元天竜区の周辺は天竜川を中心に美しい景色が広がり時間がなくても理由をつくってサイクリングに出かけてしまうほどです。

いきなり「天竜区」といってもピンとこない静岡県外の方もいらっしゃると思いますので、ここで少し解説を。北遠とも呼ばれる天竜区は浜松市中で最も広く、日本の政令指定都市の行政区としても第2位の面積。さらにその大部分が森林地帯。つまり・・・交通量が少なく、サイクリストにとっては走りやすい最高の場所なのです。

そこで天竜区役所では、初めて天竜を走るサイクリストでも楽しめるように、天竜区サイクリングマップを作成し、サイクリストのレベルに応じた6つのコースを設定しています。

今回のサイクルジャーナルに私が登場させていただいたのはひょんなきっかけからでした。同じくサイクルジャーナルの企画で、ロードレーサー西 加南子さんが天浜線(天竜浜名湖鉄道)の輪行旅を撮影した時に、西さんとお会いして意気投合。後日、私の地元・天竜を自転車で案内することになったのです。

せっかくの機会なので、今回はマップの中でもっとも長く、かなり上りが厳しい「ヒルクライムコース」を選んでみました。とはいえ、案内する私も初めて走るコース。もちろん西さんは大丈夫だと思いますが、案内する私がついていけるか不安なところもあります・・・そこはチャレンジですよね‼

全長100.7km上級者向けの「ヒルクライムコース」

本日走る「ヒルクライムコース」は全長が約100.7km、最大標高差1,193mのタフなルートです。自然が豊かな天竜川に沿ってひたすら上り、最高到達点の門桁山付近を過ぎてからはようやく一息つける、前半上って後半は下り基調というコースプロファイルです。

「天竜区サイクリングマップ」では船明(ふなぎら)ダム運動公園がスタートとゴール地点とした周回コースになっていますが、今回は少しアレンジして「スルガ銀行天竜支店」をスタートするルートにしました。

全行程は「森林浴ライド!」と言ってもいいくらい、基本的に大自然の中を走るコースですが、それ以外の見どころもたくさんあります。美術館や神社など、自然と人間が共存し文化をはぐくんでいるポイントもあります。もちろん大切なグルメも充実していますよ。

スタート~秋野不矩美術館~そして熊?

天竜支店をスタートしてガンガン走りたいところですが、早速の寄り道です。「秋野不矩美術館」は地元出身の秋野不矩(あきのふく)画伯の名前を冠した美術館。展示物や建築自体のデザイン的な特徴もさることながら、壁を漆喰で塗ったり天竜杉が取り入れられているところも、実に天竜にある美術館らしいところ。私のお気に入りの場所でもあります。

ここ天竜区二俣町は遠州北部に位置し、戦国時代に二俣城の城下町、江戸時代以降に天竜川の水運、繭の集積所、秋葉街道の宿場町として栄えたところです。

次に通過したのが、サイクリングマップの「ヒルクライムコース」ではスタート地点になっている船明(ふなぎら)ダム運動公園。かなり間近にダムを眺めることができ、巨大な放水ゲートの上を自転車で走ることもできます。自転車と比べると、ゲートを支える橋脚の大きさがわかると思います。すごい迫力でした!

このあたりでウォーミングアップ終了。いよいよ天竜川を北上するヒルクライムのスタートです。前日まで降り続いた雨のおかげで、天竜川の水量がかなり増えていました。もともと大自然の迫力を感じる川ですが、川幅がかなり広がり怖ささえ感じるほど。実はこのあたりにはSNS映えするスポットがあり、地元サイクリストには人気の場所です。

それがこの「月まで3km」の標識。月旅行については、近頃何かと話題にのぼっていますが、もちろん実際に空に浮かぶ月ではありません。この先には「月」という小さな集落があり、そこまで3kmというだけなのですが、周りにはなにもないこの標識が地元サイクリストには人気のスポットなのです。とはいえ、ここから先は月まで行けるくらいの激しい上りが待っているのです・・・(※この標識はコースから少しそれた場所にあります)。

この先のヒルクライムに備えて、バイシクルピット「道の駅 天竜相津花桃の里」に立ち寄り、名物の小麦まんじゅう、特製みそまんじゅうと水分を調達。11月限定で販売される五平餅は最高です。それからここにはサイクルラックがあるので、休日には休憩所として多くのサイクリストの姿も見られますよ。

激しい上りのその前に天竜川の雄大さを感じられるスポットに西さんを案内したくなり、またまた寄り道です(現実逃避ではありませんよ)。場所としては先程の「花桃の里」からほど近いところ。天竜川と気田川が合流しているところなので、橋が多くまたそれぞれが独特のデザインを見せています。

天竜川と気田川の合流点にかかる気田川橋
天竜川と気田川の合流点にかかる気田川橋

渡ってよし、眺めてよし。橋はまぎれもなく人工物ですが、自然の中で調和を見せている姿はとても雄大でいつまでも眺めていられます・・・と感慨に浸っていたら、遠くの川原に黒くて大きいものがモゾモゾと。

く、クマ、熊ですかね、あれ?

西さんと2人で目を凝らしてよく見てみます。「熊ですよね、あれは」という西さん。結局のところ、確証は得られなかったのですが、黒くて大きなものが普通に見られるくらい自然豊かなところ、それが天竜なのです。


秋葉橋

スーパー林道
雲名橋~秋葉神社~山住神社

熊ショック(?)も冷めやらないままに、ついに本日のメインルート、スーパー林道天竜線に入っていきます。別名は天竜スーパー林道。名前からしてとんでもない場所だというのが想像されますが、出発点の雲名橋から秋葉山(標高886m)、竜頭山(1,352m)、井戸口山(1,335m)、門桁山(1,384m)などを巡る森林地帯を走るルートです。ひたすら上り。上りに次ぐ上りです。休憩地点の秋葉神社までは8km。・・・熊よりも怖いかもしれません。

序盤はまだまだ余裕。景色を見るゆとりもありました。舗装は比較的きれいに整備されていて、ロードでも走りやすい道。先をゆく西さんを視界に入れながらペダルに力を込めます。秋葉神社の参道でもありますが、車通りも少なく本当に走りやすい道でした。ペースを守りつつ杉林の中を進みます。

まだ杉林です。かなり進んだように感じましたが、きれいに手入れをされている杉林がまだまだ続きます。しかし、さすが西さんは淡々とペダルを踏んでいきます。10%の斜度が続き、ときどきダンシングを入れながら使う筋肉を変えて・・・秋葉神社はまだですかと思ったところに、ようやく秋葉山の山頂近くにある一の鳥居が見えてきました。

10%の坂道はさすがにこたえましたが、やはり上りはいいですね。直後は「もういいや」と思うこともありますが、徐々にじわじわと感じる達成感が心地いいものです。杉林がいつまで続くのかと思いましたが、神聖なたたずまいもあり「背筋が伸びる」という気持ちにもなりました。

秋葉山本宮秋葉神社は、火防の神で知られた秋葉神社の総本営。二の鳥居、三の鳥居、本殿まで徒歩で登っていくと浜松市内が眼下に広がります。荘厳な雰囲気に先程の疲れもいやされて、またペダルを踏む力が蘇ってきました。

天竜の森~山住神社~塩の道

秋葉神社から次の目的地、山住神社までは28km。これまでよりも山深いエリアに足を踏み入れていくことになります。ここまでも絶景はいくつか見てきましたが、標高1,000m、空の中を進むような絶景を眺めることができるルートに入るのです。距離的にはそれほど遠くはないのですが、アップダウンが続く難所。でも秋葉神社までの上りをこなした自分にとっては、なんてことないルートに思えてしまいます。

ひたすら続くスーパー林道の途中、竜頭山(1,351m)周辺にある天竜の森。熊出没注意の看板が! やはりさっきの黒いものは熊だった?

標高は1,107m。少し下りに差し掛かってきたので、顔に笑顔が戻ってますね。山住神社は709年に創建された由緒ある神社。静岡県の天然記念物に指定されている樹齢約1300年の杉が2本並んでそびえるなど、自然の中にある、というよりも自然そのものといった印象。

ちなみにこのあたりは、全国にある塩の道の中でも最古で、最も長い塩の道が通っています。太平洋からこのあたりの峠を通って、信州の塩尻へ塩を届けたそうです。

さらにこのあたり、携帯電話は圏外。こんなところに神社を創建したり、塩を運んだり。人間の強さを感じた瞬間でした。

ドラゴンママよらんかね~山ノ舎(ゴール)

ヒルクライムの“ヤマ”を越えた私達は、サイクリングマップにもバイシクルピットとして紹介されている「ドラゴンママ よらんかね」で遅めのランチです。

「よらんかね」とはこのあたりでよく使われる言葉。お母さんたちが使うイメージですね。ドラゴンママでは、そんな地元のお母さんたちが手作りする山菜天ぷらそばやおでんなど、まさに得意料理を振る舞ってもらっているような気持ちになります。

そばやおでんも美味しかったのですが、この手作りのジャムが絶品!ブルーベリーや野いちごなどスタンダードなものもいいのですが、この辺りで収穫できる「くわ」のジャムは甘さ控えめでおすすめです。

後半は怒涛のグルメラッシュですが、走り始めたスルガ銀行の天竜支店にほど近いところにある「山ノ舎」で最後の休憩です。

手作りようかんとコーヒーの組み合わせですが、これがまた絶妙!自転車乗りとスイーツは限りなく相性がいいのですが、このようかん、特に自転車乗りと相性がいいですね。これを美味しく食べるために走りたくなる、そんな程よい甘さが体に染み込みます。

自然、熊、杉林、杉林、杉林、スイーツ・・・かなりざっくりとまとめると今回のライドはこんなイメージでしょうか。かなりキツめの上りが前半に待っていますが、神が宿るような神聖な雰囲気の森の中を進んでいく感覚はこの天竜でしか味わえないライドだと思います。

ここで注意点があります。雲名橋から山住神社までのスーパー林道には自動販売機など補給ポイントがないため水分・補給食は十分に、また携帯電話は圏外の場所がほとんどなのでパンク対策なども十分に行なってください。

さすがに「ヒルクライムコース」は無理、という人はやさしいルートもあるので、ぜひ天竜区のライドを楽しんでみてください!

担当者からの“ヒトコト”
天竜エリアのサイクリング環境づくりについて

今回走ったコースは、天竜区サイクリングマップに載っている「ヒルクライムコース」です。このサイクリングマップの発行をはじめ、天竜エリアのサイクリング環境づくりを進めているのが「天竜区サイクリスト誘致実行委員会(事務局:天竜区役所まちづくり推進課)」のみなさんです。


天竜区役所まちづくり推進課
(左)鈴木課長 (中)山本さん (右)鈴木グループ長

2006年、天竜区サイクリスト誘致事業としてロングライドイベント「天竜サイクルツーリズム」が始まり、2017年には第11回が開催されました。開催ごとにコースの改良、運営の変更によりエントリー数も順調に増え、第1回の500名ほどから、近年では700名を超える人気ぶりです。2017年の開催時には、エントリー開始から8日間で定員に達してしまったそうです。それに伴い広いエリアから参加者が集まり、中部地方のみならず、関東地方、近畿地方からの参加者も増えています。ちなみに、エイドステーションでのおもてなしは「天狗汁」が好評です。

現在、「天竜サイクルツーリズム」は隔年開催になりました。開催しない年には、サイクリング環境の整備と、新たなイベントの試みも始まっています。環境整備の面では、バイシクルピットの整備を進めています。広い天竜区では要所に休憩と補給を取れる場所が必要です。現在、区内に12か所のバイシクルピットがあり、サイクルラック(駐輪スペースのみでサイクルラックのない施設もあります。)、空気入れ、工具が設置されています。それぞれのバイシクルピットでは、地元色のある食べ物やお土産があり、ついつい休憩時間が長くなってしまいますよ。

今年は新たな試みとして、2018年10月1日(月)~12月31日(月)の期間で自転車によるスタンプラリーイベント「天竜区サイクリングスタンプラリー2018」が開催されています。天竜区内12か所の「チェックポイント」を巡ってスタンプを集め、6つ集めると天竜区特産品プレゼントの抽せんに応募できます。紅葉の時期の天竜はさらにきれいでしょうね。私も参加しようと思います。

今回は、天竜区役所まちづくり推進課の課長、鈴木さんにお話を伺ってきました。鈴木さんもサイクリストで、天竜の道にとても詳しい方でした。サイクリストによる自転車のまちづくり、天竜の人気がさらに広がりそうな予感がします。

スルガ銀行ロードバイクプロジェクト
深田 聡朗

Information 1

天竜区観光協会

天竜区サイクリングスタンプラリー2018パンフレット

天竜区内のバイシクルピットはこちら

浜名湖一周サイクリングWEB

秋野不矩美術館

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/akinofuku/

船明ダム運動公園

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/maps/t-funagira_p.html

天竜相津 花桃の里

http://hanamomo-sato.com/

秋葉山本宮 秋葉神社

http://www.akihasanhongu.jp/

天竜の森

http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-080/fureai/tenryunomori.html

山住神社

http://www.genbu.net/data/toutoumi/yamazumi_title.htm

ドラゴンママ よらんかね

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-770/kannnai_shisetsu/dragonmama2.html

Kissa&Dining 山ノ舎

https://www.yama-ie.com/

Information 2

DE ROSA(デローザ)

今回のヒルクライムで西加南子選手が使用したバイクはDE ROSA。
DE ROSAは1953年に創立したイタリアンブランドの雄。ハートのロゴマークでも知られ、これには、フレーム作りは最新の技術や素材でなく、自転車への情熱が大切という思いが込められています。大量生産をせず、一台一台を丁寧に製作する職人気質を貫いています。

RCC(Rapha Cycling CLub)

https://www.rapha.cc/jp/ja/rcc

Information 3

スルガ銀行ロードバイク購入ローン

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