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2017 Nov.22
SURUGA Cycle Journal vol.15

『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』2連覇!
“ヒルクライム・プリンセス”望月美和子さんの「20歳からの自転車生活」

『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』2連覇!“ヒルクライム・プリンセス”望月美和子さんの「20歳からの自転車生活」

静岡県とイタリアのフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州との交流を記念し、2016年から県内の小山町で開催されている『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』。富士山須走口、「ふじあざみライン」をコースとしたヒルクライムは今年も活気を帯びました。そのなかで、注目されていたのが、女子で2連覇達成の望月美和子さん。自転車に乗り始めてたったの3年(!)という女子自転車競技の新星をご紹介いたします!

「地獄への門」ゾンコラン峠に匹敵する「ふじあざみライン」

イタリア「ゾンコラン峠」
イタリア「ゾンコラン峠」

今年で2回目を迎えた『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』。「ZONCOLAN(ゾンコラン)」という聞き慣れぬ名称も、海外サイクルロードレース好きのサイクリストならわかるはず。「ゾンコラン」といえば、イタリアの「ゾンコラン峠」。過去数度にわたって『ジロ・デ・イタリア』のコースに選ばれたサイクリスト憧憬の地です。そのゾンコラン峠のあるフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州から、富士山を擁する静岡県に自転車を主体とした「スポーツ交流」の提案があったのは2014年のこと。以来、1年おきに双方の地元で開かれる大会にお互いの国のサイクリストが参加する交流が始まりました。こうした経緯から交流記念大会として始まったのが、『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』です。

平均勾配10%、最大勾配22%ふじあざみライン平均勾配10%、最大勾配22%ふじあざみライン
平均勾配10%、最大勾配22%ふじあざみライン

平均勾配10%、最大勾配22%という「ふじあざみライン」は、サイクリストの間では「地獄への門」と呼ばれるゾンコラン峠に匹敵する過酷なコース。しかし、それだけに完走したときの喜びは大きいと言われています。

ベテランでも尻込みするような急坂。ところがその急坂を、昨年、競技を始めて2年目にもかかわらず完走し、見事女子の部で優勝を果たした望月美和子さん。今年の大会も、雨でコースコンディションが悪いなか、昨年よりも好成績で優勝。いったいこの強さはどこから生まれているのでしょう。

そこで、スルガ銀行ロードバイクプロジェクトでは、大会終了後、ご本人に直撃取材を敢行。強さの秘密について聞いてみると「自転車には楽しいから乗っているだけなんです」という想定外の答えが返って来ました。あまりにあっけらかんとした回答に「それだけではないだろう」と疑念を抱いた我々は、ロードバイクに乗り始めたという3年前に遡ってお話を伺ってみました。

ドロップハンドルに憧れてロードバイクを購入

初めて購入したロードバイク
初めて購入したロードバイク

望月さんは1993年生まれの24歳。筋肉隆々といった外見でもなく、どこからどう見ても普通の可愛らしい女性です。「ロードバイクに乗り始めたのは3年前から」と本人がおっしゃるように、それ以前は自転車といえばママチャリ。生活の中でも特にスポーツはしていなかったといいます。

「スポーツというと、中学のときはバレー部にいましたけど、レギュラーではなく補欠だったのでみんなで遊んでいる感じでした。高校では1年生のときだけ陸上部に所属して走り高跳びをしていました。でも2年生以降は情報処理部。どちらかというと帰宅部みたいな感じでした」

そんな望月さんがロードバイクに乗ろうと決めたのは、地元である静岡県の企業に就職してからでした。

「自宅から駅周辺まで行く際、途中にある大きな橋を渡るのに坂があっていつも大変だったんです。もうちょっと楽に走れる自転車はないものかなと思って、自転車通勤をしている会社の先輩に相談してみたのがロードバイクとの出会いでした」

当初は手頃な値段のクロスバイクを念頭に置いていた望月さん。ところが自転車カタログのロードバイクを見てドロップハンドルに一目惚れ。「これがいいです」と興奮する望月さんを、先輩は「初心者にロードバイクは危ないからやめておけ」と止めたそうです。しかし、望月さんの「じゃあ、マウンテンバイクを買って、それにドロップハンドルをつける!」という驚きの発言に、先輩も「それはいくらなんでもださ過ぎる」と降参し、専門店に連れて行ってくれたそうです。そのお店で望月さんは、一目惚れしたコルナゴのロードバイクをボーナスで購入。ここからロードバイクとのつきあいが始まりました。

「買ってみて、さっそく通勤に使ってみたんですね。そうしたら、私が乗っているところを目にした先輩が自転車ショップのチームの朝練に誘ってくれたんです」

参加してみた朝練は、そのスピードにびっくり。置いてけぼりを食らうと帰り道がわからなくなってしまうという恐怖から「とにかくついていくのに必死だった」と言います。そしてこのチーム練習が、その後のレースで思わぬ結果をもたらすことになったのでした。

7戦すべて部門優勝!彗星の如く登場した“ヒルクライムプリンセス”

FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町2016優勝
FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町2016優勝

「ヒルクライムレースに出場し始めたのは自転車に乗り始めて半年が経った、2015年のことでした。当時勤めていた会社が協賛をしていた『ツール・ド・八ヶ岳』に参加して、女子の部で3位に入ったのが初めてのレースでした」

初挑戦で3位。その次のレースでも3位入賞。しかし、これは序章に過ぎませんでした。

ツール・ド・八ヶ岳2016初優勝
ツール・ド・八ヶ岳2016初優勝

年が明けて2016年になると、前年に3位だった「ツール・ド・八ヶ岳」で優勝。「FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町」と同じく「ふじあざみライン」を走る「富士山国際ヒルクライム」でも優勝。「キング・オブ・ヒルクライム富士山」も優勝。結局、ヒルクライムは7戦に出場し、すべて部門優勝。しかもほとんどが独走という圧倒的な強さ。その活躍ぶりは、望月さん自身のフレッシュさとあいまって、まさに「ヒルクライムプリンセス」と呼びたくなるほどのものです。

ではいったい、どんな練習をすればこんな結果を生み出せるのか。さぞや毎日ストイックに練習を重ねているのでは。ところが望月さんによると「練習は週末の朝練だけです」とのこと。

「平日も自主トレをしろとまわりに言われているんですが、正直やっていません。一昨年もレースが終わってからは、半年くらいまともに乗っていませんでした。暮れに次の年の『ツール・ド・八ヶ岳』に申し込んだので、頑張らなきゃ、と思って3か月くらい練習したという感じです。だから、まさか優勝できるとは思いませんでした」

にわかには信じ難い話ですが、どうやら真実のよう。それでも食生活くらいは気を遣っているのかと尋ねてみると、「気にしていません。甘い物は大好きです。今日もスタート前にロールケーキを食べました」とのこと。

「もともと自転車に乗ろうと思ったのも、少し太ってきたからだったんですね。だから好きなものを食べるために自転車に乗っているとも言えるんです」

まわりから飲むよう勧められているプロテインも飲んでいないとのこと。こうなると、もはや天性の素質があったとしか言いようがありません。

「ただ、チームの練習はきついです。長いときは100km、少なくとも60km、男の人たちと走っていると顔が真っ赤になります。みんな負けず嫌いなので、そういう人たちと走ることがいちばんの練習になります」

速さの秘密は気負いのなさと心肺機能?

八ヶ岳チーム合宿にて
八ヶ岳チーム合宿にて

高校時代、「長距離は速かった」という望月さん。初めてロードバイクに乗ったときも、息が苦しいというよりは足が痛かったそうです。自分では自覚していなくても、もともと心肺機能が普通の選手よりも恵まれていたのかもしれません。

肝心のメンタルは「強くないと思います」とこれも意外な回答。

「けっこう気持ちに波があるし、自分が辛いところでスプリントをかけられたら譲っちゃうと思いますね」

この日の『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』では、レース用ホイールに交換した際、サイクルコンピューターのマグネットを取り付け忘れてしまったとか。それでも前年よりも0.01秒速くゴールするというミラクルなタイムを記録したというから驚きです。これについても「狙ったわけじゃないんですけど」と本人は笑うばかりです。

お話を聞いているうちに見えてきたのは、この気負いのなさこそが強さの秘密なのかもしれない、ということ。また、競技歴が浅いゆえに、練習やレースに出場する中で、ベテランの選手には味わえない新しい発見や経験が自転車に乗る楽しさを与えているのでしょう。そしてもうひとつ、鍵はやはりチームの練習にあるようです。

「チームのみんなについていけるのがいちばん嬉しいですね。チームの人たちが速いので、私も必然的に速くなっているのかもしれません。自転車は頑張ったぶんだけタイムという成果が出る。成長していることを実感できる点が魅力です。それと、最近はロードレースが楽しくなってきました。ヒルクライムは1人で上って1人で終わる。でもロードレースは集団で走りますよね。そこがおもしろいと思います。ロードレースはまだ2戦しか経験していなくて、みんなには、『引き過ぎだ』、『休むとこは休むんだよ』と怒られたりしているんですけど、走っていて楽しいです」

今年の『JBC石川サイクルロードレース』では、当サイトでもお馴染みの西加南子選手に次いで3位に入賞した望月さん。ロードレースの表彰台は「ヒルクライムより嬉しい」といいます。

JBCF石川サイクルロードレース3位入賞
JBCF石川サイクルロードレース3位入賞

最後に、憧れの選手と今後の目標について聞いてみました。

「憧れているのはアテネオリンピックに出場した唐見実世子選手です。『ふじあざみライン』を51分台で走るんだからすごいです。『JBCF石川サイクルロードレース』でも独走で1位でした。今後の目標は、できれば静岡県の代表として国体に出ること。ロードレースは来年の全日本選手権に出たいなと思っています。強い人たちがいるなかで、自分がどこまでできるか試してみたいですね」

2020年の東京オリンピックについては、「今はまだまだ力不足ですが、目指したいとは思います」とのこと。このままでいけば、オリンピック出場の道も開けるのでは」といった可能性を感じさせてくれる望月さん。今後も“ヒルクライムプリンセス”の活躍から目が離せません。

Information1

FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町

静岡県とイタリアのフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州の交流を記念して開かれているヒルクライムの大会。「ふじあざみライン」入口から富士山須走5合目までを上るコースは世界でも屈指の急勾配が特徴。2018年開催予定の第3回大会はイタリアから選手を招待する予定。

Information2

ロードバイク購入ローン

従来の選手像とはひと味違う望月さんのお話、いかがでしたでしょう。ロードバイクの楽しみのひとつは『FUJI-ZONCOLAN ヒルクライム in 小山町』のようなライドイベントやレースに参加してみること。そこでおすすめなのが、スルガ銀行のロードバイク購入ローンです。自転車本体の購入はもちろん、ライドイベントの参加費用、サイクルウェア、フレームやホイールなどのパーツ類など、自転車にまつわるすべてのものにご利用いただけます。年利は一般的なクレジットカードのリボ払いや分割払いよりもお得。返済は最長120回。ご自分に合った返済プランを組み立てることが可能です。