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2017 Oct.4
Money Goes On ~わたしとおカネの付き合い方~ Vol.9

ライフネット生命岩瀬社長
「次の10年も、気軽で安心できる保険を届け続ける」

ライフネット生命岩瀬社長「次の10年も、気軽で安心できる保険を届け続ける」

ライフネット生命保険株式会社は、2008年5月に営業を開始した独立系の保険会社。主な販売チャネルは、それまでの業界の常識を覆す「インターネット」。そんな業界の“革命児”とも呼べるライフネット生命の代表取締役社長を務める岩瀬大輔さん。東大卒業、司法試験合格、ハーバードビジネススクールを日本人4人目となる上位5%の成績で卒業。ライフネット生命を起業、マザーズ上場と華やかな経歴を持つ岩瀬さんの生命保険業界への想いからプライベートなお話までを伺いました。

——ライフネット生命は、2017年5月で開業から10年目を迎えました。

ライフネット生命は「若い世代の保険料を半分にして、安心して子どもを産み育てることができる社会を作りたい」という創業者・出口治明の想いから立ちあがった戦後初の独立系生命保険会社です。

私も副社長として立ちあげから関わり、2013年6月に出口が社長退任後、社長を務めています。出口は私より約30歳も年上ですので、メディアに「年の差凸凹コンビ」と呼ばれたこともあります。何にせよ、この10年間は出口とともに駆け抜けた10年間でしたね。

——出口さんと最初にお会いしたときのことは覚えていらっしゃいますか?

鮮明に覚えていますよ。溜池山王のとあるビルでした。土曜日の朝に待ち合わせしたんですが、エレベーターが開いたら、だぼだぼのズボンにチェックのシャツを着た白髪になり始めた感じのおじさんがいて。(笑)

でもその後、出口からインターネット上に生命保険会社をつくりたいという話を聞いて、とてもワクワクしたのを覚えています。生命保険業界は、とても大きな業界なのにイノベーションが遅れていて、規制も厳しく非効率な部分が多い。一般のお客さまにとって分かりにくい商品が売られているという現状を変えたいなと感じました。

そもそも生保のベンチャーってないんですよね。生命保険は多くの資本が必要ですし、ものすごく時間もかかるので、誰も積極的にやろうとは思わなかったんじゃないでしょうか。

でも良く考えたら、ネット証券があって、ネット銀行があって、ネットの自動車保険があるのだから、ネットの生命保険があってもいいんじゃないかと。ゼロから生保を作るっていう発想自体が、新しいというかコロンブスの卵だなと思いました。

——「ネットで生命保険を販売する」というビジネスプランで132億円を集めたという話を伺いました。なぜこれだけのお金が集まったのでしょうか?

「あったらいいな」という投資家の共感を得ることができたのだと思います。投資家に出資を募るときは、ロジカルな部分とエモーショナルな部分、両方必要だと思います。でも、その2つは一見真逆のようで、表裏一体の関係でもあります。つまり、自分が「入りたい」とか「あったらいいな」と思うのは、感情(エモーション)でもありますが、一方で多くの場合、経済的合理性(ロジカル)の観点からそういう感情が湧き出てきているのだと感じています。

岩瀬大輔さん

——現在の会社規模をどのように感じていらっしゃいますか?

現在、契約者は15万人強です。大手さんに比べると小さい数だと思いがちですが、スポーツ観戦やライブって大きなスタジアムに5万人くらいいますよね。あの満員になった5万人のスタジアムを見るだけで壮観なのに、これの3つ分埋まるだけのお客さまに支えていただいているのか!と思うと感極まります。お一人おひとりのご契約の裏には、ご家族への愛情や、人生の夢や目標があるわけですから、責任の重さを感じます。

一方で、起業前は10年くらいやっていれば100万人くらいに使ってもらえるんじゃないかと想定していました。でもやはり、新しいことを浸透させるのには時間がかかるなと感じていますね。

ただ、本当に大切なものは簡単に手に入らないものだと思います。苦労しながら、お一人おひとりご加入いただいて、次の10年、さらにその次の10年、努力を続けることで、よりライフネットの輪が広がっていくといいなと思っています。

——ライフネット生命のお客さまはどんな方が多いのでしょうか?

全体的に若い方が多く、20代から40代で全体の約9割を占めています。20代から40代のいわゆる「現役世代」というと「共働き」や「子育て中」といった方が多いと思います。現役世代の忙しいお客さまに、テクノロジーを活用して、気軽に、でも安心してご加入いただける生命保険会社でありたいですね。

そのためには、良い商品を便利な方法で提供することが最も重要です。くわえて、手数料の開示を含めた情報の透明性を確保したり、当社の姿勢や活動を知っていただいたりすることによって、「ライフネット生命って面白い会社だな」とファンになっていただけたらいいですね。

——革新的な金融サービスを提供する企業が増えています。今後、生命保険業界はどうなっていくと思いますか?

現在はFinTechという大きな流れがあって、これから金融自体もどんどんデジタル化していくと思います。FinTechの本質は何かというと、金融のデジタル化によって、透明性が向上し、摩擦コストが少なくなり、流通コストが下がって、消費者にとってより便利になっていくことです。

このトレンドは間違いなく我々にとって追い風です。銀行もどんどん形が変わっていくでしょうし、証券はもう変わりつつありますし、その中で生保だけまったく変わらないことはないと思います。

金融庁が最近発表した「顧客本位の業務運営に関する原則」も、中身を読んでみると、僕らが開業時から言っていることとほぼ同じ。その甲斐もあって、すでにご加入いただいているお客さまにはすごく満足していただいておりますし、もっとたくさんの人にご加入いただきたいと思います。そのための施策をコツコツやりたいなと考えています。

岩瀬大輔さん

——岩瀬社長は、マラソンやジャズがご趣味とお聞きしました。
実はランニング中の岩瀬社長を2度ほどお見かけしています(笑)

そうだったんですか?フルマラソンは3年くらい前に始めて、それから年に数回走っています。もともと50歳くらいになったらやりたいなと思っていたんですよ。でもある年の正月に「先延ばしするのはやめよう」と思って。その秋、会社のみんなで富士山マラソンに出場しました。

ジャズは、高校生の頃に出逢いました。ニューヨークに転勤していた親の元へ遊びに行ったとき、ジャズに連れて行ってもらって「これはすごいな」と。日本でもジャズのライブハウスに行くようになって。それからですね。大学でもジャズ研でした。

——仕事以外の活動をすることで、仕事にもプラス作用はありますか?

あまり深く考えてやっている訳ではないんですが、走ったり動いたりして汗をかくと、体調が良くなるというか、頭がすっきりします。健康を維持することも大切なので続けています。

それから、「仕事と全然関係ないことが仕事と結びつく」というよりも「仕事じゃないところから繋がって、仕事になる」ということはありますね。仕事ではなくダボス会議に行ったら、40億円を出してくれる投資家に出会ったとか。

創業者の出口もよく「人から学ぶ、旅から学ぶ、本から学ぶ」と言っているのですが、あまり目先のリターンを求めずに、色々なことに好奇心を持って、色々な人に会って、色々な関係を大事にしていると、思いもしないところで得るものがありますよね。

この間、会社の若手10人ぐらいとラタトゥイユの料理教室に行ったんです。そうしたら、すごいマネジメントの学びがあって。ラタトゥイユの話、していいですか?(笑)

岩瀬大輔さん

——ラタトゥイユの料理教室ですか?ぜひお願いします(笑)

原宿にお店を持つ知人が呼んでくれたのですが、ラタトゥイユを作る過程で気付いたことが三つあって。
たとえば材料を一つずつ、野菜ごとに炒めるんですよ。まず玉ねぎ、次にトマト、それから黄色のパプリカを炒めて、赤パプリカを炒めて、ズッキーニ、最後にすべてを混ぜて、蓋をして煮込む。

一つひとつ火加減や時間、油の量が違うんです。おそらく一番おいしさを引き出すには、そうしないといけないのでしょう。それを見て「これから役員や社員と話すときは、『1対n』じゃなくて『1対1』で話そう」と思ったんですね。

社員も最大公約数の方法で引き出すよりも、やっぱり個別に引き出してあげた方がいいなと思ったんです。「最高の料理を作るためには、一つひとつ丁寧に味を引き出さないと駄目だな」って。これが一つ目です。

また、そのお店のオーナーの言葉にも感銘を受けました。そのお店のレシピはオーナーのオリジナルらしいのですが「一度に二つ変えてはいけない」と言われました。人間は新しいものは一つしか受け入れられないから、一つは守って一つは変えてもいいと。

これは、我々ネット生保にも当てはまる言葉だと思います。私たちは就業不能保険を2010年から販売していますが、ネットでは一部の方にしか売れなかったんです。でも最近、「ほけんの窓口」さんで取り扱ってもらったらすごく売れているんです。加入者にとって慣れていない商品(就業不能保険)は、慣れている販路(対面販売)が一番だなと。これが二つ目です。

最後に、ラタトゥイユって見た目は煮込んだだけのシンプルな料理なんですけど、レシピはすごく複雑で。それで思ったのは、お客さまから見たときはシンプルなものでも、本当にコクがあって、味わい深くて良いものの裏側は、複雑なんだなと。

「シンプルさとは何か」と考えさせられました。これまでも、ライフネット生命はシンプルであろうと思って行動してきたのですが、本当のシンプルというのは、お客さまからの見え方がシンプルなだけで、裏はすごく工夫されている。しっかりと作り込まれたものじゃなきゃ、長続きしないと改めて思ったんですね。

——ラタトゥイユの料理教室から、様々なことに思考を巡らせているのですね。

同じようなことをSNSに書いたら、同じラタトゥイユ教室に行った人たちから「ラタトゥイユからこんな気付いている人いない」と言われました(笑)

ただ、同じ体験でも、学びや感じることを大切にしたいと思います。どんなものからも学びや気付きはあると思うので、それにどうやって気付いて、自分の仕事に役立てるかが、後々大きな差を生む気がしますね。

岩瀬大輔さん

——岩瀬社長は「資産運用」に関して、どのようなお考えをお持ちですか?

僕は、いわゆる一般的なサラリーマンではないので、資産運用らしいことは特にやっていないんですが、自分を含めて「人」に投資するのが、一番リターンが高いのではないかと思っています。僕も自分自身にも投資していますし、仲間や、若手起業家が立ちあげたベンチャーにも投資をしています。

金銭的に豊かであれば、人生の選択肢は増えるとは思うんですが、「お金を持っているからといって必ずしも幸せになるわけではない」ということです。もちろん幸せなお金持ちも大勢いると思いますが、反対に、そこまで金銭的に豊かではないけど幸せな人もたくさんいます。

幸せな人生を送れるかどうかは、やはり自分が好きなものや、大切なものを持っているかだと思うんですよね。家族もそうですし、趣味もそうです。自分が本当に大切なもの、好きなものがある人が一番ハッピーなんじゃないかなと思います。

そのような「本当に大切なもの」を守るためにも、何かあったときにお金を受け取ることができる生命保険は大きな力になります。特に、残していくと困る人がいる場合は、保険で備えておくのがマストではないでしょうか。

——最後に、岩瀬社長にとって「お金」とはどんな存在でしょうか?

「お金」は夢をかなえたり、大切なものを手に入れたりするために、選択肢を増やしてくれるものだと思います。学べば学ぶほど上手な使い方や貯め方、殖やし方もあります。でも、夢や大切なもの抜きに貯めたり殖やしたりすることはあまり意味がないので、あくまで目的達成のための手段であるのかなと思っています。

※特定の金融商品の勧誘・販売を目的とした記事ではございません。

Information

ライフネット生命株式会社

http://www.lifenet-seimei.co.jp/