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2016 Sep.14
Dream & Passion ~輝ける女性たちの肖像~ Vol.23

〈旅作家 小林 希〉が語る、30歳目前の旅&30代の旅。
“自分が納得できる、幸せな生き方”を見つける方法

小林希さん

自分らしく活き活きと働く、素敵な女性たちを紹介する「Dream & Passion」。今回お話を聞かせてくれたのは、“旅女(たびじょ)”こと小林希さん。

処女作『恋する旅女、世界をゆく―29歳、会社を辞めて旅に出た』『泣きたくなる旅の日は、世界が美しい』(ともに幻冬舎)など、数々のヒット作を生み出してきた旅作家さんです。

29歳で“自分らしい人生の第一歩”として、出版社を退職し、世界へと飛び出した小林さん。誰も自分を知らない場所で気付いたこととは?それから約5年。30代になった小林さんが、いま惹かれるカリブの国々の豊かさとは?“人生を見つめ直すきっかけ”となる旅の話を伺いました。

30歳を前に生まれた疑問、「自分はなにをしたいのか?」。
会社を辞め、29歳で世界へ!

小林さんの書籍
デビュー作『恋する旅女、世界をゆく』ほか、
小林さんの著書の一部。

大学卒業とともに株式会社サイバーエージェントに入社し、その子会社・アメーバブックス新社で働いていた小林さん。29歳で会社を辞めて長旅に出る決意をしたエピソードが、『恋する旅女、世界をゆく』にまとめられていました。最初に、そのときのお話を教えてください。

小林当時、30歳という年齢が、女性としてひとつの区切りのように思えました。でも私はもともと結婚願望が薄かったので、結婚して子育て、その後また働いて…という王道の人生は、自分が感じる幸せとは違う気がしたんです。じゃあ、私はなにをしたいんだろう?それを考えたのが、はじまりです。

節目の年齢は、改めて人生設計を考える機会になりますよね。

小林たとえば、誰かと結婚して、ガラリと変化する人生があるかもしれない。だとしたら私は、「なんの肩書きもない“こばやしのぞみ”に戻って世界をゆく」といくことを、新たな人生のきっかけにしようかな…と。大学時代もバックパッカーとして旅をしていましたし、旅のなかで幸福を感じ、成長してきたと思っていたので。

旅立ってから約1年の間、アジアやインド、チュニジアなどを巡ってきたとのこと。1人きりでの長旅となると、自分と向き合う時間が増えますよね。

小林自分が知っている人は誰もいないし、自分を知っている人も誰もいない。孤独な旅のなかで、ときには胸が痛くなったり寂しくなったり…。でも、そういう感情と向き合うのも嫌いじゃないというか(笑)。

日本で忙しく過ごしていると受け流してしまうような心の動きも、旅先でなら気づけるし、素直に向き合える気がします。

小林旅をしていると、舐められることもあるんですよ。「女だから」「アジア人だから」「若いから」とか。ここまでは言われても笑えるけど、これは許せない、そういう自分の基準もわかりました。さまざまな感情を自覚できないと、“自分自身”ってわからないんですよね。

小林さんにとって旅は、自身の確認や成長の手段になったんですね。

小林日本で働いていたときよりも、1日ではるかに多くのことを考えました。なにもしない余暇の旅も素晴らしいけれど、日本でもどかしい思いをしているときにも、旅ってすごく適していると思う。それまでの自分を、ガンッとぶちこわしてくれるんです。予測できないことの連続でボロボロになるかもしれないけれど、帰ってきた瞬間になにかをつかめる可能性は、極めて高いと思いますよ。

フィリピンのスラム街と日本、どちらが豊か?
13歳で訪れた海外での衝撃が、“旅女”への入り口

小林さん

小林さんの世界への好奇心のはじまりは、13歳。お父さまの赴任先であるフィリピンを訪れ、カルチャーショックを受けたことがきっかけとか。

小林フィリピンのマニラに降り立った瞬間、当時の空港では、裸足の子どもが走り回っていて。汚れた服で寝そべっている人がいたり、「タクシーだ!タクシーだ!」って叫んでいる人がいたり…。後にインドにも行き、ガンジス川を流れる遺体なども見ましたが、フィリピンの雑然とした光景から受けた衝撃が、もっとも強く印象づいています。

13歳の小林さんは、なにを考えたのでしょうか?

小林正直なところ、「この国に生まれなくてよかった」と思いました。でも父が、「これが世界だ。日本のほうが貧しく、こちらのほうが豊かなこともある」と。確かにフィリピンの街中のほうが、日本よりも笑顔を見ることが多かった。それで、「じゃあ、世界はどうなっているんだろう?」と、もっと知りたくなったんです。

その後、大学生の頃から海外旅行や短期留学をしていたそうですが、現在までで何か国を訪れたのでしょうか?

小林私は好きな国ができると、何度も行くんです。だから、まだ50か国ほど。好きな洋服や食べものが変わるように、年代で、好きな地域や国も変わっていますね。

29歳から本格的に“旅女”化した小林さんですが、今までどんな地域にハマってきたのか、教えてください! 年代や旅経験別のオススメはありますか?

小林最初の頃は、よくアジアに行っていました。安くて移動も手軽だし、現地で旅人同士が出会いやすいんです。でも1人部屋でゆっくり宿泊したり、建築やアートを楽しみたいとなると、ヨーロッパのほうがいい。30代半ばの今は、キューバにハマっていて。カリブのいろんな国に行ってみたい!30~40代の人はきっと、キューバが気に入ると思いますよ。

30代のいま、お気に入りはキューバ!
ラテン的生き方に、幸福のあり方を考えさせられる

キューバの町並みキューバの町並みとクラシックカー
画像:ピクスタ

小林さんがここ1年半ほどハマり、すでに3回訪れたというキューバ。その魅力を、教えてください!

小林まずは、街に流れる空気の速度ですね。国によって全然スピードが違って、東京はすごく早い。逆にキューバはゆったりとしていて、走っている人を見たことがないくらい。でもダラダラしてるわけじゃなく、ちゃんと躍動感はある。音楽が流れてくると、すぐに人々が踊り出すんです(笑)。

キューバは2015年、54年ぶりにアメリカとの国交が回復した国。旅先としてまだまだメジャーではないと思います。街はどんな様子なのでしょうか?

小林まだ馬車や馬が利用されていて、車はクラシックカーが走っています。建築物は、スペイン領時代のものが今も残っていて。お金も物資も乏しい国だったので、長年、修理しながら使ってきたんです。だから、一見古くて雑然としているんですが、ほかにはない美しさがある。建物も人間と同じで、年を経るごとに味わいが増すんだな…と、街を歩きながらうるうるしちゃいました(笑)。

ラテンの国々は、音楽やダンスに溢れているイメージもあります。

小林街には“カサ・デ・ラ・ムジカ(音楽の家)”と呼ばれる店が、いくつもあって。お金を払えば、入って生演奏を聞きながら踊れるんですが、キューバ人は建物から漏れてくる音を聞きながら、みんな外で踊っています(笑)。

サルサもあちこちで体験できますよ。男性がリードするダンスなので、女の子は踊れなくても大丈夫。私も気付くと、クルクルと踊らされていました(笑)。

小林さん

今年の春に出版された『泣きたくなる旅の日は、世界が美しい』では、キューバの民泊の様子なども書かれていましたよね。多様な楽しみのある国だと思いますが、小林さんのキューバの旅のテーマはなんでしょうか?

小林“ラテン的な生き方”の探求でしょうか。キューバは半世紀以上アメリカとの関係が断絶し、物資が安定して入ってきませんでした。それでも耐え忍び、屈することなく生きてきた、たくましさと楽観性があるんです。わたしたちは「なにがあって、どう楽しむか」だけど、キューバ人は「ないなかで、どう楽しむか」。

東京は物質的にとても豊かだけれど、気付くと多数のものに縛られていると思います。たとえば、お金、見栄、地位…。そういうものに執着しないとすごくラクに楽しく生きられるんだなって、キューバで実感しました。大人になってから行くと、キューバの町並みやラテンな生き方が、身に染みますよ(笑)。

どこにいても、なにに心を震わせるかは自分次第。
世界を旅して気付いた、大切なこと

本棚と小林さん

先ほども話題に出た『泣きたくなる旅の日は、世界が美しい』では、キューバを含め、各地で経験したストーリーが綴られていました。心温まる人との出会いだったり、ムスリムの少女たちとのガールズトークだったり…。フィリピンで感じたようなカルチャーショックではなく、日常の些細なできごとばかりですよね。

小林移動し続けていくと、非日常だった旅の日々が日常になってきます。そんななかで、旅先で感じる幸福感・五感を刺激してくれるものって、東京の生活のなかでも、出会えるものだったのかもしれないと気付いたんです。

旅をしていてもしていなくても、自分のいる場所で起こる一瞬一瞬のストーリーがあるわけで。なにに目を向け、なにに心を震わせるかは、自分の意識次第なんだなと。普段、自分の気持ちとは裏腹に、社会のしがらみに囚われて鈍感になっているだけなんですよね。作品では、それを伝えられたらと思っています。

最後に、旅をテーマにこんな活動がしていきたいという野望があれば、教えてください。

小林旅の話はほとんど全て、海外の滞在先で書いています。感じたことや景色をそのまま原稿にできて、臨場感が出るんです。文章を書くというのは、今後もずっと続けていきたいですね。あとは、人前で話したり、動画をとったり…。異なる表現方法も、模索していきたいと考えています。

本日は、素敵なお話をありがとうございました。今後も、小林さんの著書をたくさん読めること、楽しみにしています!

Information

小林 希 公式ブログ『地球に恋する』

さまざまな国の旅のレポートや、小林さんの活動を発信。また、旅以外に小林さんが取り組む、島起こしプロジェクト(瀬戸内の小さな島・讃岐広島の人々とともに古民家を再生し、宿泊施設に)の情報も。

『泣きたくなる旅の日は、世界が美しい』に、サインを頂きました
『泣きたくなる旅の日は、世界が美しい』に、サインを頂きました。
こちらのほか小林さんの著書の一部は、
d-laboミッドタウンでお読みいただけます。
9月30日発売 / 小林 希さん著書『美しい柄ネコ図鑑』(エクスナレッジ)

大の猫好きの小林さん。2015年には、世界各地の街で生きる猫たちの姿が楽しめる、『世界の美しい街の美しいネコ』(エクスナレッジ)を出版。本作はそれに続く、猫×旅作品。各地で出会った2,000匹以上の猫たちの柄に注目し、厳選して紹介している。肉球や目の色・鼻や耳などのパーツ、日本のネコ島など地域による柄の特徴、世界30都市で見つけた“柄ネコ代表”…など、旅好きにもネコ好きにもたまらない内容。

小林 希さん著書『美しい柄ネコ図鑑』(エクスナレッジ)
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撮影・松永 光希