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2016 Oct.3
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.148

今までの靴選びは間違いだらけ!?名人級シューフィッターに聞く!「痛くない、歩きやすい、美しい靴」と出会う靴選びのルール

「これぞ!」と選んだ新しい靴なのに、靴ずれしたり、足が痛くなったり・・・・・・。そんな失敗をしたことはありませんか。靴選びの基準は、意外と曖昧。最高の一足と出会う確かな方法はあるのでしょうか?足と靴の専門家として最高峰のマスター・オブ・シューフィッターの資格をもち、日本人の足に合った靴ブランド「アルカ」を展開する久世泰雄氏に取材しました。

「ゆったりして柔らかい靴」はNG!
日本人の靴選びの常識は間違いだらけだった!?

のべ9万人の足と向き合い、登山家やJリーガーのアドバイザーも務め、名シューカウンセラーとして活躍されている久世さんですが、自分の足にぴったり合う靴を上手に選ぶ秘訣はあるのでしょうか。

「まず、皆さんが正しいと思い込んでいる“靴選びの常識”から見直しましょう。私が見てきた中で10人に9人の方は、実際の足より大きな靴を選んでいます。とくに男性は2、3サイズ上を選びがちですね。ところが、ゆったりめの靴は足に負担をかけるのです。柔らかい靴のほうが歩きやすい、足にいい、というのも間違いです」

それではどんな靴が理想的と言えるのでしょうか?

「理想的な靴とは、ピタッとフィットして足と一体化すること。余裕があると足が靴の中で動くので、それが靴ずれや痛みの原因となるのです。そして、柔らかい靴は、足の骨格や筋肉を支えてくれないので疲れやすい。最初は少々キツめで全体的に硬い靴が、快適で足が疲れにくいのです」

少々キツめで硬い靴を選ぶのは、なかなか勇気がいるかもしれません……。

「足の骨格を考えてみてください。小さな骨が立体的に並んでいて、かかとの骨は卵半分もない。ここにつねに体重がかかっているのです。足の骨は全身の骨格の中で、もっとも酷使されている。硬い靴はコルセットのように足の骨格を包んで支えるので、足の骨がゆがんだり、筋肉への負担を軽減したりしてくれるわけです。一方、柔らかい靴というのは、いわばソックスようなもの。足に当たる感覚は少ないですが、体重の重圧から足を守ってくれないのです」

足のサイズよりも、「フォルム」に着目!
骨格に合わせた靴選びのルールとは?

それでは、自分の足の骨格に合った靴を選ぶポイントを教えてください。

「サイズ(足長と足幅)だけで選ぶのはNG。洋服でいえば、着丈とバストだけで選んでいるようなもの。体の厚み、シルエットなど肝心の『フォルム』が抜けています。靴選びもサイズだけなくフォルムが大切。つまり、サイズでは測れない部位のフィット感をチェックすることが重要なのです。わかりやすいポイントに絞って、いくつか説明しましょう」

パンプス選びのポイント

1. かかと

カップ状の芯が入っており、しっかりとしたホールド感がある。靴を試着する際は、靴のかかと部分に足をぴったりと収めることが大切。

2. 足指の付け根回り

キツすぎず、ゆるすぎず、ほどよいフィット感。最も動く部位なので、靴底部分に柔軟性があり、足の曲がりと靴の曲がる位置が一致しているかチェック。ちなみに、かかとの靴ずれはココがフィットしていないのが最大原因。

3. つま先

なるべく足指に圧迫感がないものを選ぶ。とくに先の尖ったポインテッド・トウは、幅・トウの角度・厚みなどをチェック。

4. ヒール

かかとの真ん中部分にヒールが付いている。履いたときにかかとの中心がヒールに乗る感覚があれば、体が安定しやすい。8cm以内が望ましい。

5. アーチ(シャンク)

堅牢(けんろう)でしっかりとした感触がある。足のアーチを支える“靴の背骨”となる重要な部分。外からはわかりにくいが、ここが柔らかく薄いと、体重を支えきれない。

ビジネスシューズ選びのポイント

1. かかと

カップ状の芯が入っており、しっかりとしたホールド感がある。靴を試着する際は、靴のかかと部分に足をぴったりと収めることが大切。

2. 足指の付け根回り

キツすぎず、ゆるすぎず、ほどよいフィット感。最も動く部位なので、靴底部分に柔軟性があり、足の曲がりと靴の曲がる位置が一致しているかチェック。足を動かしたとき、この部分に細かなシワが入るのが足に合っている証拠。深いシワが入るようだと、大きすぎて足に合ってない。

3. つま先

トウの形にもよるが、1cmほどの空きがあること。先の尖ったポインテッド・トウは、幅・トウの角度・厚みなどをチェックして、なるべく足指に圧迫感がないものを選ぶ。

4. 土踏まず部分

靴の土踏まず部分に足がピタッと張り付くようにフィットしていると、靴の中で足が安定する。

「これらは、あくまで一般の方が感じられる範囲でのチェックポイントです。骨格と靴の相性、ちょうどいい締め付け感などは、プロの目を頼りにするのが確実です。シューフィッターは採寸もしますが、サイズはあくまで参考数値。それよりも足に触れることで、骨格や筋肉、肉づきなどを見極めているのです。

自分の足に合った靴をきちんと選びたいなら、シューフィッターのいる百貨店や専門店で選ぶ。そのうえで、自分の足に合わせた調整をしてもらうのがベストだと思います」

靴づくりの理想は、日本人の木型を使い、
ヨーロッパの技術と上質素材でつくりあげること

靴選びのプロである久世さんから見た「いい靴」とは、どのような靴なのでしょうか。

「やはりイギリスやイタリア、フランスなどヨーロッパの靴づくりは、卓越した技術と素材を誇っています。日本では既製靴が広く一般に普及するようになったのは、オーダーメイドから機械化へ移行した1950年代から。靴の歴史はわずか60余年。一方、ヨーロッパは数世紀の歴史がありますから、圧倒的な積み重ねがあります。

またヨーロッパでも国によって志向が異なります。イギリスは正統派、イタリアはファッション性が高い、フランスは……というように、特徴があります。そこらへんを知っておくと、靴選びがますます楽しくなると思います」

日本人の足と、西洋人の足のフォルムは、かなりちがうのでしょうか。

「それが海外ブランドの靴を選ぶときの最大のネックです。西洋人は甲高で足幅が狭い。一方、日本人で甲高の足の持ち主はほとんどいません。顔や体が平たいのと同様に、足も平べったく扁平なのです。その結果、高い海外ブランドの靴を買っても、足に合わないことが多いのです。

そこで、私どもは、日本人に合わせた木型をイタリアやイギリス、フランスの工房に持ち込み、一流の靴職人の手による靴を扱っています。上質な皮革素材を用いて、最高の技術で究極の靴をつくる。さらには、日本人の足にフィットして、痛くない、歩きやすい、美しい靴をつくることを目指しているのです」


靴選びは足のチェックから。各部のサイズを測り、骨格をチェック。
さらに全身のバランスや歩き方を見極め、その人にぴったり合った一足をすすめてくれる。

最上級の天然素材にこだわり、日本人に合わせた木型をもとに
ヨーロッパの靴工房でつくられたアルカの靴。
形やサイズが細分化されているので、自分の足に合う靴が見つかる。
価格は5~10万円台が中心。調整や手入れをしながら、10年近く愛用する人が多い。

靴は単なるファッションアイテムではなく、全身の健康を守り、足の役割を支えてくれる大切な相棒でもあるんですね。自分の足の本来の骨格に合った靴選びができれば、歩くのがもっと楽しくなりそうです。

写真・都築 宣久

Information

アルカ

日本人の足に合わせた靴をヨーロッパの技術で実現したブランド。足と靴を知り尽くしたシューフィッターが靴選び・調整をサポートしてくれる。専門店、百貨店など17店舗を展開する。

シューキッチン

整形外科の知識にもとづいたドイツの調整技術で調整・リペアを行なう。海外ブランドの靴も日本人に合わせた調整をしてくれることで定評がある。日本橋三越本店、伊勢丹新宿店、阪急梅田店など5店舗展開。