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2015 Nov.13
コレクターズRoom Vol.11「写真集」

13歳から始めた写真集コレクション。お店を始めて広がった世界とは?

伊藤沙帆さん

愛するモノに囲まれた暮らしは、豊かさと刺激に溢れているはず。「コレクターズルーム」では毎回、さまざまなコレクターを取材。コレクションする楽しさや自慢の品、収集に必要なお金のやりくり術などをご紹介します。

今回登場していただくのは、写真集コレクターであり、原宿の路地裏に佇む洋書のセレクトショップ&カフェ&バー「BOOKS BUNNY」を営む伊藤沙帆さん。アートに興味があったという伊藤さんがなぜ写真集を集めることになり、そしてお店まで開くことになったのか。そんなストーリーや写真集の楽しみ方、コレクション方法についてお話を伺いました。

NYのアンダーグラウンド文化に惹かれ、写真集を集め始めた

伊藤さんが写真集と出会ったのは、13歳の中学生のときだったそうです。もともと絵を描くことが好きで、そうした仕事がしたかったという伊藤さんは、NYのグラフィティーアートに出会い、その魅力に夢中になったといいます。

「どこかの古本屋さんで『サブウェイアート』という500円くらいのボロボロの写真集を見つけたのですが、その写真集がきっかけでグラフィティー(落書き)にハマりました。写真集を集め始めたのはそれからで、グラフィティーアートの写真集ばかりを買っていましたね。アンダーグラウンドな世界観が好きだったんです。それが13歳くらいの頃です。お店を始めてからは、もっと広いジャンルの写真集を集めるようになりましたけれど」

1970年代頃のNYで発祥し、キース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキアによって広まったとされる、スプレーやマジックを使ったグラフィティーアート。そこに感じた魅力を追い求め、いつのまにかお店を開き、広く写真集や洋書を集めるようになった伊藤さん。その収集方法とは?

「日本国内では何軒かのコアな古本屋さんや古本市を周りますが、それ以外は海外で購入していました。海外旅行に行ったら必ず本屋を巡りましたね。重いのでそこまでたくさん買うことはできないですけど」

そしてお店を開いてからはまた購入方法が変わったそう。

「NYへ買い付けに行くようになりました。NYでは古本屋さんだけでなく普通の本屋さんにも行きます。向こうは新品の本でもディスカウントがあって安く買えたりするんです。あとは若手のアーティストが自費出版している本だけを扱うお店もあったりして。NYは狭い中に色んなものが詰まっていて、歩けばすぐに本屋を見つけられるのも魅力的です。今は半年に1回行って、ごっそりと買って船便で送っています」

基本的に目当ての本のリストを作って探すのではなく、偶然の出会いと直感を大切にして写真集を選んでいる伊藤さん。そのコレクションは2,000冊を超えているといいます。気になる管理方法は?

「お店には2,000冊置いてあって、販売したくないものなどは自宅に置いてあります。管理方法としては、日焼けをしないようにこまめに配置を変えたりする程度ですね。自宅では写真集の気に入ったページを切り取って壁に貼ったりするくらいで、あまり神経質に扱わずに楽しんでいます」

あくまで自然体に、肩肘をはらずに気軽に楽しむ。それが伊藤さんのスタイルなんだそう。

■伊藤’s写真集コレクション 高額商品ベスト3■

デヴィッド・ラシャペルという有名な写真家の写真集 ロックの名盤ジャケットの写真集 女装しているアンディー・ウォーホールの写真だけが収められている写真集

デヴィッド・ラシャペルという有名な写真家の写真集(写真左)。どれもポスターにできそうな「絵」みたいな広告写真ばかりで、飾っておきたい感じです。(販売価格:¥15,000)

ロックの名盤ジャケットの写真集です(写真中央)。日本の古本市で見つけたフランスの本で「欲しい」と言われることが多いですが、売りたくないお気に入りの本です。(販売価格:¥9,000)

ずっと欲しかった、女装しているアンディー・ウォーホールの写真だけが収められている写真集です(写真右)。ここまで大判で気持ち悪さ全開のものはそうそうないですね。写真集って説明できないものの方が良いと私は思っているのですが、これはまさにそんな本です。(販売価格:¥18,000)

■伊藤’s 手に入れるのが大変だった写真集■

テディーベアをひたすら撮った写真集

NYのブッシュウィックという、ガイドブックにも載っていないような、治安の悪い、でもグラフィックの聖地と呼ばれている地区に行ったときに買った写真集です。本当に人がいない地区で怖かったのですが、せっかく来たからにはと怪しい本屋に入って買いました。細身の黒人の店主が自分で作ったという、テディーベアをひたすら撮った写真集で、どこを探しても売ってないと思います。(販売価格:¥2,500)

■伊藤’s 1番思い入れがある写真集■

グラフィティーを扱った写真集

写真集を集め始めたきっかけとなる、グラフィティーを扱った写真集です。グラフィティーって、それが描かれている壁の大きさに圧倒されたりすることも多いので、小さな写真で見ても迫力が伝わらなかったりするんです。でもこの写真集は大判で、迫力があって良いですね。お店のほかに家にもあって、ページを開いて置いてあります。(販売価格:¥5,000)

■伊藤’s 変わり種の写真集■

アルファベット順にモチーフを抜き出した写真集

これは街中のグラフィティーから、アルファベット順にモチーフを抜き出した写真集です。大人向けなのか子供向けなのか分からないんですけど、そういったものが多いのも洋書の魅力です。(販売価格:¥2,800)

お店を開いたことで広がった交友関係

BOOKS BUNNY・外観

お店を始めるまでは写真集コレクターの友だちもおらず、1人で部屋で写真集を眺めていたという伊藤さん。やはり転機はお店を始めたことだったとか。

「お店を始めるまで、自宅には床が抜けそうなくらい写真集が積んであって、もはや手に取れない状態だったんです。お店の棚に並べられるようになってからは、こうして手にとって眺められるようになってよかったです。それとお店を始めたことによって、“キワモノ枠”みたいな集団の仲間に入れていただけて。同じ写真集という分野でなくても、何かを極めている人や、何かにめちゃくちゃハマっている人との、おもしろい交友関係が増えましたね(笑)」

1人の趣味として続けていた写真集収集。しかしお店を開くことで、さらに趣味が広がり、交友関係も広がっていったといいます。

伊藤さんが写真集をはじめとした洋書を扱うお店を開くきっかけはなんだったのでしょうか?

「私はもともとアートに興味があって、絵を描いて生活がしたかったんです。家系的にもアート関係の仕事をしている親戚が多いのですが、その誰を見ても生活が苦しそうで、アートで食べていくのは難しいなと思っていました。でも何かをしてお金を稼がないといけないということで、部屋を眺めたときに『この写真集のコレクションは自分の好きなものであって世界観でもあるから、これを空間として発表すれば表現になるんじゃないだろうか?そしてお店としてオープンすれば仕事にもなるんじゃないだろうか?』と、当時勤めていた百貨店を辞めてお店を始めたんです」

BOOKS BUNNY・内観

原宿・神宮前に2012年にオープンさせたBOOKS BUNNYは、早くも4年目に突入。場所は原宿にしようと決めていたのでしょうか?

「いえ、特に原宿にしようとは決めていませんでした。でも、できるだけこういう写真集に興味がある人の多い場所にしたかったんです。この辺りには写真家やデザイナー、アパレル関係の人が多く、ほとんどスーツを着ている人は見かけません。デザイナーさんが仕事の資料で買って行かれたり、インテリアとして置きたいからとまとめて購入される遠方のお客さまもいらっしゃいます。特に夜間は、この辺りに住んでいる濃いキャラクターのお客さまが多いですよ」

すっかり界隈のコミュニティの場として馴染んだBOOKS BUNNYですが、これまでの写真集の購入費用はどのように工面していたのでしょうか?

「これまでの写真集の購入には、NYの買い付けで300万円、お店を開く前の日本での購入も含めるとトータルで500万円くらいだと思います。お店を始めてからは経費になりますが、それまではアルバイト代や給料など、そのときどきの収入で身の丈に合う範囲内で買っていました」

大胆さと堅実さの両方の素質を持ち、写真集への愛をもとに、お店という空間で自分を表現することに成功している伊藤さんの姿は、コレクターの一種の理想形かもしれません。最後に気になる質問を2つ。今狙っているアイテムと、集めた写真集の楽しみ方を教えてください。

「今狙っているのは、昔持っていてお客さまに売ってしまったラリー・クラークの写真集です(笑)。よくいらっしゃるお客さまですので『そろそろ飽きたんじゃないですか?』と買い戻したいと思ってます(笑)。集めた写真集の楽しみ方としては、そうですね…。写真集ってはじめのページから最後のページまでストーリーがあるわけなんですけど、たまにはあえて逆から見たり、ランダムに見たりもしますね。でも、そんなに深く考えてはいないですよ。基本的には直感で楽しみます!」

■コレクター's データ■
  • コレクション:写真集
  • コレクション歴:約15年
  • コレクション数:約2,000点
  • 費やした費用:500万円

Information

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