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2015 Jul.24
DREAM MAKER あの人に訊く、この話 Vol.7

「大切なのはブランドの影響力」Raphaの提唱する自転車の楽しみ方。矢野大介が目指す「サイクリストに貢献するブランド」(後編)

『DREAM MAKER』では、人生を楽しみながら夢を叶えた、旬の人にインタビュー。仕事で、プライベートで、その人がこだわりを持っているものや、その人にまつわるストーリー、そしてちょっとディープな話題にも触れていきます。

今回は、ロンドン発のサイクルウェアメーカー『Rapha』の矢野大介さんにお話を伺いました。前編ではたんなるブランドにとどまらない『Rapha』の魅力について語ってくださった矢野さん。後編は長野県在住の矢野さん自身の自転車生活や、SNSを活用した『Rapha』の取り組みなどについてお聞きします。

Rapha・矢野大介さん

サイクリストとしての質の高い生活

雪道のサイクリングの様子

取材場所は都心の千駄ヶ谷にある『Rapha Cycle Club Tokyo』。カフェ(=コミュニティスペース)と販売フロア(=リテールスペース)が併設されたサイクルクラブは前編で紹介したとおり、自転車愛好家や近隣に在住、勤務している人たちで賑わっています。かたや矢野さんや広報スタッフの小俣さんが活動の拠点としているのは長野県の野辺山。事務所は八ヶ岳を望む標高1400メートルの高原に開設されています。そう聞くと、当然ながら湧くのが「なぜ東京でなく野辺山?」という疑問。それについて矢野さんは明解に答えてくださいました。

「自分たちが日本で活動するうえでほしかったのは、〈サイクリストとしての質の高い生活〉です。そうなると間違いなく東京や大阪ではない。世界中の『Rapha』のオフィスを見ても、たとえばアメリカの場合などはサイクルクラブはニューヨークやサンフランシスコに置いてあるけれど、オフィスがあるのはオレゴン州のポートランドなんですね」

ポートランドは広大なアメリカの中でも「自転車の町」として知られている都市。自転車専用道や駐輪ラックなども整備された自転車乗りにとって憧れの町です。『Rapha』が拠点を構えているのはこのポートランド。そこには「自分たちもポートランドのコミュニティの中にいたい」という思いがあったからだといいます。

「オーストラリアにしてもサイクルクラブはシドニーに、オフィスはメルボルンにと分かれています。メルボルンは自転車が市民権を得ている自転車の町なんです。ポートランド同様コミュニティが確立しているし、サイクリストとして質の高い生活が送れるんです」

日本はと見渡してみると、残念ながらポートランドやメルボルンのような都市は見当たりません。自転車ブームと言われている昨今ですが、自転車を取り巻く社会環境はまだその人気には追いついていないのが実情。

お手本になるとしたらロンドン。2005年の同時爆破テロで地下鉄やバスが被害に遭ったのをきっかけに、ロンドンでは自転車に乗る人が飛躍的に増えたといいます。そこで市長自らも率先して「自転車に乗りやすい町づくり」に取り組んだ結果、現在では市内各所に誰でも使用可能なレンタルバイクが置かれるような「自転車都市」に変貌しました。東京など都市の一部では自転車専用レーンがつくられたりしているので、今後のインフラ整備や法改正に期待したいところです。

SNSを活用して世界中の女性サイクリストを結ぶ

サイクリングの様子

話を戻して、矢野さんたち自身は野辺山でどんな自転車ライフを送っているのでしょうか。

「僕自身はオフィスが住居も兼ねているので通勤がないのですが、他のスタッフはもちろん自転車で通勤してきます」

小俣さんは小淵沢在住。毎日山を上って野辺山まで通勤してきます。行程を考えるとかなりハードなはずなのに「いいトレーニングになっています」と笑顔の小俣さん。マイナス20度近くまで下がる真冬は「冬用ウェアのテストにちょうどいい」とか。さすがです。

一方の矢野さんは「通勤がない」かわりに、「スタッフが通勤で走っている時間に自分もオフィスのまわりを走る」そうです。

「だいたい週に3回くらい、朝8時からスタッフが来るまでの1時間、まわりの畑の間などの道を走って来ます。1時間だとこれくらい、1時間半ならあそこまで、こっちに行けば2時間コース、というのが自分の中にできていますね。とくに4月くらいからはあたたかい日が増えてくるので走る頻度も高くなります。真冬の2月でも0度くらい気温があるとあたたかく感じるので、晴れていたらそういう日は走りに出ちゃいますね」

大自然に囲まれた野辺山は「夏は最高」。都会暮らしのサイクリストからするとなんとも羨ましい環境です。もともと「ウエンズデーカンパニーライド(水曜日の午前中は自転車に乗る)」といった社風がある『Rapha』。まずはスタッフ自身が「サイクリストとして質の高い生活」を大切にしていることが窺えます。

では、一般のサイクリストに対して『Rapha』はどのような取り組みをしているのか。そのひとつの答がリアルの空間である『Rapha Cycle Club』。そしてもうひとつ、『Rapha』の考えに触れるには「ウェブサイトを見るといい」といいます。

「自分で言うのもなんですが、『Rapha』のウェブサイトはビデオも写真も読み物もすごくいいフィーチャーをしています。これを見れば『Rapha』がたんにウェアを売っているだけではなく、何を考えているかが伝わるはずです」

写真で言うと、『Rapha』のカタログや記事の写真は「報道=プレス」ではなく「アート」と呼んだ方がふさわしいもの。映像も然り。ストーリー性のある美しい映像はたとえ自転車に乗らない人でも惹かれるはずです。

世界中に拠点があるだけにSNSも活用しているのが『Rapha』の特徴。その一例が今年7月26日に第3回目が開かれる「WOMEN'S100」。これはSNSを介して世界中の女性サイクリストに「この日にみんなで100キロを走りましょう」と呼びかけ、実際にそれぞれが100キロを走るといったイベントです。

「去年は世界52ヶ国から8,200人の女性がジョインして走りました。全員を足した総距離数は41万キロ。Instagram(インスタグラム)を見ると世界中の人たちの写真がわっと出てきます。こういうことができるのはソーシャルネットワークのすごさですね」

ブランドとしての影響力を大切にしたい

サイクリングのイベントの様子サイクリングのイベントの様子

自転車のいいところは男女の垣根などない点。イベントに参加しているあるアメリカ人の女性スタッフは「私は自転車に跨いだ瞬間に性別なんか関係なく一サイクリストになれる。だから私は自転車が大好きなんだ」と語っているといいます。

「『WOMEN'S100』は『Rapha』がやってきたことの中でも非常に意義深いものだと思っています。SNSという今なりのツールを使えば世界の距離をぐんと縮めることができる。みんながすぐに共感しあうことができる。『Rapha』はもちろんウェアを売っている会社だし、運転資金はそこから得ている。そのために優れたデザイナーがいるし、製品はパターンもいいしフィット感もシルエットもいい。ロゴがないのに遠くから見てすぐに『Rapha』だとわかる。だけど、そうした単純な商品力ではないブランドとしての影響力がこの会社にはあるんです。『Rapha』が参入してウェアのトレンドはあきらかに変わった。『ツール・ド・フランス』を見てもプロのチームのウェアがシンプルになりましたよね。カタログや雑誌の写真もアート的なものへと流れが変わった。こんなふうに商品力を超えたブランドの影響力というものをこれからも大切にしたいと考えています」

5月17日から始まった『第18回ツアー・オブ・ジャパン』の開催期間中は『Rapha Cycle Club』の移動版である「モバイルサイクルクラブ」で全国を巡回。移動車両で提供するものは『Rapha Cycle Club』と同じ「リテールスペース=販売コーナー」と「コミュニティスペース=カフェ」。ときにはゼネラルマネージャーである矢野さん自身も加わって、北は北海道から南を九州南部までを巡ってブランドの浸透をはかります。

「いちばんやりたいのは、地方の町で出会った人たちと、じゃあ一緒に走りましょうよと走ること。大都市よりも地方の方がいい道も多いし、理想的なクラブライドができるはずです」

この他、日本の各地でポップアップ(期間限定店舗)の設置も計画中。『Rapha』のファンには嬉しいニュースです。

「モバイルサイクルクラブの行くところ、地元のサイクリストが集まって来る。そんな形にしたいですね。むろん、自分たちでもSNSを使って情報を発信しますし、地元のテレビや新聞などローカルメディアとも連携して『Rapha』の活動を広めていきたいと思います」

そして「これから先、力を入れていく」というのは「Rapha Travel」。こちらはヨーロッパやアメリカ、オーストラリア、タイなどの海外で催行される「サイクリングツアー」。参加者にはハイエンドの自転車をレンタル。ツアーにはレンジローバーやジャガーのサポートカーが用意され、専任のメカニックやマッサージも有り、宿泊先は高級ホテルといった充実した内容が人気です。日程は平均1週間。今後は忙しい日本人向けに「現地3日程度の短いプログラムもつくっていこうと思っています」とのこと。

「走るのは有名な峠や外国ならではのダイナミックな景色が楽しめる道。アジアのお客さんには大変人気のあるプログラムです。先日もタスマニアを走ってきたばかりですが、素晴らしかったですね」

“ロードバイク(自転車)を世界でもっともポピュラーなスポーツにしたい” その「夢」に向かって走りつづける『Rapha』のスタッフたち。矢野さんたちの今後の活動に期待しています。

Information

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『Rapha Cycle Club Tokyo』

2004年にロンドンで写真展を開催して始まったロードサイクリングウェアブランド。「ロードレースを世界で最もポピュラーなスポーツにする」ことをスローガンに掲げ、ロードレースやロードライドの魅力を伝えるイベントの開催やフィルム、写真での表現活動を行う。製品は全てオンラインストアで購入が可能なほか、東京と大阪に直営店Cycle Clubを構えている。