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2015 Aug.4
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.92

子どもの金銭感覚を養うために大切な親子コミュニケーション

子どもへお金を渡す様子

近年、電子マネーやスマートフォンによる端末上での課金など「見えないお金」が普及しており、子どもにとってお金の価値を正しく理解することが難しい時代になってきています。

そこで、著書に『6歳からのお金入門』があり、親子でお金を考えるワークショップを数多く開催している、ファイナンシャルプランナーの八木陽子さんに、子どもの金銭感覚の養い方を伺いました。

おこづかいをあげっぱなしにしない!
お金に関する親子のコミュニケーションが鍵

今のご時世、モノに囲まれているせいか、今の子は物欲が弱くなっていて、お金を貯めて使う体験が少なくなっています。毎日豪勢なフルコースを食べていたら、贅沢な食材に有り難みがなくなるように、モノを与えすぎては、モノを大事にすることや金銭感覚を養えないまま大人になってしまいます。与えるモノを減らし、子ども自身にお金を管理させる制度(=おこづかい制度)の導入がお金教育には適しています。

おこづかい制度の導入のタイミングは、子どもがモノを欲しがり始めた時期。子どもの性格にもよりますが、6歳くらいからがよいと思います。中学生以降になるとおこづかいの額も高額になり、部活や塾で多忙になるうえに思春期をむかえ親子の会話が減ってしまいます。少額の失敗で済み、言い聞かせをしやすい小学生の時期が、おこづかい制度をはじめるのに一番よい時期です。

おこづかい教育で大事なのは、親子のコミュニケーション。親は収入のうち、税金、住まい、食事や教育などにお金を支払い、残りの限られたお金の中で欲しいモノを購入していることを子どもに説明します。

お金の教育というと、「貯める」ことに焦点がいきやすいですが、同じぐらい「使い方」も大事。お金をうまく使えた時は、「上手に使えたね」とすかさず褒めるとよいでしょう。また、失敗してしまったときも、子どもの気持ちを受け止めつつ、どうすればよかったかを一緒に話し合うことが重要になります。

気をつけたいのは、原則は、おこづかいの中でやりくりさせつつ、例外を設けること。最近の小学生が欲しいモノは、ゲームソフトなど高額になる傾向があります。少額のおこづかいでは、貯めるのにも時間がかかりすぎて、『貯めてもどうせ買えない』とお金を貯めることに対して、無駄だと思ってしまう感覚に陥ることも。貯蓄可能な額を子どもの負担にし、残額を親が支払う約束にするなどして、子どもの本気度をみるとよいでしょう。その際、子どもの声を聞く態度でいると、子どもの交渉力がつきます。頭ごなしにダメと言わないことが大事です。

おこづかいの定額制と(手伝いで対価を得る)報酬制、
どう使い分ける?

オススメしているのは、必要最低限の額を定額で与え、臨時収入として報酬制度を導入すること。日本では、子どもが勤労する機会がないため、働いてお金を稼ぐ感覚がわかりません。そのため、家庭で労働をして対価が得られる喜びを学ぶことはよいことだと思います。

ただし、家族の一員として手伝いをすることは当然のこと。おこづかいをあげる際に、言い聞かせることはもちろん、報酬が得られるお手伝いと、家族の一員として当然しなければならないお手伝いを分けるといいでしょう。例えば我が家では、長男が小学生のときに、「お風呂掃除」は報酬制、「洗濯物たたみ」は普通にするお手伝いとするルールにしました。お手伝いはするべきものと伝え続け、『お手伝い=報酬』と勘違いしないよう意識していましたね。

夫婦間や祖父母の金銭感覚が違う場合、
子どもの金銭感覚を混乱させない方法とは

夫婦間で金銭感覚が違う場合に必要なのは、子どもにどんなお金の使い方をしてもらいたいか話し合うこと。そこから逆算して、買い与えるモノの用途や金額を設定したり、大人による高額な買い物や、浪費する現場を子どもに見せないようにするなど、家庭内のルールを決めるとよいでしょう。

また、祖父母にも、家庭内の方針を伝えておき、高額なモノを買い与えるより、旅行や習い事の費用負担をお願いすることをオススメします。また、義理の両親など伝えにくい場合は、個人的な意見としてではなく、専門家などのエピソードとして伝えるとカドが立たないようです。

私が講演でよく話すのは、幼少期の徳川家康が今川義元に人質にとられたときのエピソードです。義元は、家康にモノをたくさん与えて好き放題させることで、ダメな人間にしようとしました。しかし、家康の側近がモノを与えることを制限し厳しく教育したことで、後に長く天下泰平の時代を築くようなしっかりとした人格の基礎が培われたと言われています。子どもの幸せのために、短期的な笑顔を求めるのではなく、長期的な視野でどうしたらよいのか考えてみるとよいかもしれません。

夢を叶える金銭感覚の養い方とは?

自己投資にお金を使うことが大事だと、子どものころから知ることが必要です。お金を意識させすぎて、費用を気にしてしまい、大好きなテニスを諦めてしまったお子さんがいました。それは、すごくもったいないことですよね。まずは、親が自己投資のためにお金を使っている姿をみせることです。年に一度、たとえばお正月などに、互いの目標を立ててみるとよいでしょう。かしこまらずに、「お父さん(お母さん)は今年、お金を払ってこの勉強をしてみようかな」とか、気軽な雰囲気で話しあったり、書いたりできるといいですね。

ライフプランを子どもに書いてもらう講座もやっているのですが、子どもは抵抗なく書ける傾向にあります。漫画家になりたいから、今年中にネタ出しをして発表するとか、具体的にスラスラ書いてしまいます。自己投資は新たにお金を生む可能性を秘めた有益な使い方。自己投資に限らずお金全般において、親も改めて、自らのお金の使い方を振り返るとよいでしょう。

上から目線でなく、子どもと会話しながら一緒にお金の使い方に取り組むことが、子どもの金銭感覚を養う一番よい方法だと思います。

文・福井万里

Information

八木 陽子(やぎ ようこ)

ファイナンシャルプランナー(FP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士)。株式会社イー・カンパニー代表取締役。

上智大学外国語学部卒業後、編集者を経て独立。120以上におよぶ雑誌・テレビなどのマスメディアからの発信実績をもとに、二児の母の目線を活かして、約500名の会員でにぎわう金融経済教育サイト「キッズ・マネー・ステーション」を運営。家計相談の実績も豊富に持つ。一貫して、顧客の立場に立った「マネープラン」を提案。現在、コンサルティング、執筆、講演・セミナー、相談業務などを行なう。