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2015 Jul.9
コレクターズRoom Vol.5 「ファッションドール」

永遠に女子心を刺激する“お人形さん”コレクション 維持管理の苦労とその価値とは

レアドールをかかえる真山さん

愛するモノに囲まれた暮らしは、豊かさと刺激に溢れているはず。「コレクターズルーム」では毎回、さまざまなコレクターを取材。コレクションする楽しさや自慢の逸品、収集に必要なお金のやりくり術などをご紹介します。

今回ご紹介するのは、ファッションドールのコレクションにハマったフリーランスエディターの真山美加さん(仮名)。
ファッションドールといえば、1959年に誕生した元祖「バービー」は、バービー専門のオークションイベントも開かれるほどで、コレクターも多く、日本では、ミュージシャンの松任谷由美さんがコレクターとして知られています。
最近では、1973年にアメリカで生まれた「ブライス」が人気。このブライスは、わずか1年で生産が打ち切られましたが、約30年後日本で復刻版が発売されるとCMのキャラクターになったり、ファッションブランドとのコラボレーションが盛んに行なわれたりと、人気になりました。
真山さんは、いかにしてドールコレクションの世界にハマっていったのか、その歴史と今をご紹介します。

コレクションの保存用に木造アパートを借りるまで

玄関でお出迎えしてくれる着物を着たドールと和小物

「実は一昨年の秋に、お互い都心で一人暮らしをしていた母と私が同居することになり、ここから自転車で10分くらいのところに、新築のマンションを購入したんです。でも小さめの3LDKなので、とても私のコレクションを収容することができない。母が新築でないといやだというので、それ以上の広さを求めるのは経済的にも無理でしたし(苦笑)。

ドールコレクションは、私が一人暮らしをしていたマンションの1室と、実家である母のマンションのトランクルームに分散しておいたので、合わせるとかなりの量になっていました」

そこで、真山さんは、引っ越し先の近くに、アパートを探したのだという。なぜ、トランクルームではなく、「アパート」だったのでしょうか?

「一人暮らしをしていたマンションの寝室や、リビングの棚の上に全部で10体ほどのドールを飾っていましたが、それ以上飾るのはなかなか難しい。どうせなら、この機会にトランクルームに寝かせておくんじゃなくて、たくさん飾って、自分の目で見て楽しめるようにしたい。そのためには少し広めの部屋、しかもお風呂は必要ないから、お風呂なしの家賃の安い物件に絞り込んで探し始めました」

とはいえ23区内。希望エリアの下町は再開発が急激に進む地区だけに、そんな好都合な物件はなかなかありません。毎日のように探し始めて7か月後、ようやく希望どおりの2K (6畳・4畳半)で家賃48,000円、しかも最寄り駅から徒歩2分という物件を発見。

「内覧に行くとお部屋は古いけれど、きちんと手入れがされていて、窓枠は木製だし、すりガラスだし、まるで小津安二郎の映画の世界。レトロ好きの私は一目で気に入っちゃって」

交渉の結果、セカンドハウス的に利用することもOKしてもらえ、家賃も1か月後からでいいという好条件まで勝ち取りました。

新居への引っ越しより一足早く、ドールたちと、もうひとつの趣味である着物、そして趣味関係の書籍たちがこちらへ送られてきたのだそうです。

「新居の引っ越し準備も並行してやらなくてはならなかったので、ドールたちが日の目を見るまでには、ずいぶんかかりましたが(苦笑)」

手づくりの棚の上のドール
鴨居の上のバービー
鴨居の上のエイティーンジェニー
部屋のコーナーを活かした飾り方

アメリカ生まれの「タミー」&日本生まれの「スカーレット」

ドールにはいつ頃からハマったのでしょうか。

「実は私は、バービーやリカちゃんがメインの世代なんですが、バービーは大人っぽ過ぎるし、リカちゃんは可愛い過ぎて馴染めなかった。最初のお気に入りはアメリカ生まれながら、頭が大きくて足も太いタミーちゃん。首がもげるほど遊びました(苦笑)。

そのタミーちゃんの日本バージョンがスカーレットで、中嶋製作所から発売されました。小学校低学年の誕生日に、地元の東急百貨店・東横店のおもちゃ売り場で買ってもらった時の嬉しさは、今でも覚えています」

お気に入りだったスカーレットは、酷使されたうえ、美容室ごっこで、無残にも髪の毛を切られてボロボロながらも健在。たいがいの女の子は“お人形さん遊び”に一時はハマるのですが、だいだい小学校高学年になると離れてしまいます。しかし真山さんは中学生になっても“お人形さん遊び”が好きで、自分で服をつくったりして、着せ替えを楽しんでいたそうです。

タミーとスカーレット

従弟がプレゼントしてくれた「レディリカ」の思い出

「中学生になるまで、毎年夏休みになると母の実家の金沢に帰省していました。母の実家は商店街の靴屋さんで、お向かいがおもちゃ屋さん。私がいつもショーウインドーにくっついてお人形を見ていたのを知っていた従弟が、ある時、私が帰京する列車のホームに『これ、欲しかったがやろ?!』とお人形を持って見送りにきてくれたんです」

その人形がレディリカというリカちゃんの進化バージョン。まだ小学生だった従弟が、夏休み中によく遊んでもらったお礼にとおこづかいで買ってきてくれたそうです。レディリカを見ると、今でも胸が熱くなり、他のコレクションとは違う思い入れがあるといいます。

その後、レディリカのお友達ドール、アヤも自ら買い求め、二人分のドレスをそろえたそうで、この時点で既に後のコレクター熱の走りが見られます。

レディリカとアヤ

タカラ「ジェニーショップ」に通い詰めコレクションが本格化

高校・大学生時代は自らを着飾ることに忙しく、本格的にドールをコレクションし始めたのは20代後半になってから。

「私は原宿育ちなんですが、竹下通りにタカラのアンテナショップ、『ジェニーショップ』というのが出来たんです。ジェニーはリカちゃんより大人っぽく、ファッション性が高かったので、子供ではなく大人のほうがハマったのかも。自宅から歩いて5分とかからない場所だったので、せっせと通いつめました」

その当時は『Jenny』というジェニーファン向けの季刊誌も発行され、誌上で知り合った人々の買い物代行などをしていました。そのうちにショップ限定ドールなどを見つけては、自分も買い込むようになり、本格的にコレクションし始めたそう。

「バブルの頃だったということもありますが、毎月お給料のかなりの部分を注ぎ込んでいました。買い物代行では、手数料をいただく代わりに、洋裁の得意な方には生地を送って『Jenny』に載っているドール用の服を制作してもらっていたので、服のコレクションもすごい勢いで増えていきました」

精巧な手づくり服は、友人からも評価が高く、自慢のコレクションのようです。

手づくり服をきたジェニーとフレンドドール。引き出しに収納中

そして人気のファッションドール「ブライス」のコレクションへ

渋谷の「PARCO」のイメージキャラクターを務めたブライスは、2000年くらいから日本でも知られるようになり、グッチやプラダなどのハイブランドとコラボレーションした作品が写真集になったり、チャリティーオークションに出品されたりするなど、その社会性にも注目が集まりました。

「ちょうどYahoo!オークションも流行り始めて、限定生産やコラボ企画の多いブライスは、購入後にかなり高値をつけることもわかってきました」

そんな真山さんのお気に入りの“お宝”ブライスは、スイーツをかたどったアクセサリーブランドで有名なQ-potとのコラボレーションドールである「プリンセス ミルクビスケット ドゥ キューポット」。抽せん販売に二度も外れたのですが、諦らめ切れずにイベントでようやく購入権を獲得して手に入れた一体です。

なんと、先日のぞいたYahoo!オークションでは、10万円以上の値をつけていたそう。

次のステップはいかに

小さい頃から大の人形好きで、好きな人形を買うことが結果としてコレクションになっていった真山さんですが、コレクションが300体を超えた最近は、コレクションを今後どうしていくか考える機会が多くなってきたそうです。

「そろそろ次のステップに進むことを考え始めています。安い家賃とはいえ、2年間で家賃と光熱費等に費やした金額は150万円ほどになります。いったんずらっと飾ってそれぞれの子の顔を見てかなり満足しました。妹からは『オタク部屋』ってからかわれていますが、私はとっても気に入っていました。この世界を理解してもらえそうな友人たちにも見てもらえましたし。でも、本業が忙しくって、思っていたほどコレクション部屋へ通えなかったのが誤算でした。ちょうど2年たって更新を迎えるので、こちらはひとまず引き払おうかと思っているんです」

プチブライス勢ぞろい

で、次はどうする予定かとたずねると

「空調も完備したトランクルームにいったん移動させて、売ると決めた子は、オークションや展示会で売ろうと考えています。高値をつけている子も多いのですが、それが目的で購入したものはわずか。結果的に長く持っている間にお宝になってしまっている、というのが正直なところです(苦笑)。どんなに高値でもずっと持っていたい子は、自室を改装して飾れるようにしたいと思っているんです」

とのことで、またしても資金が必要なようです(笑)。

ゆくゆくはこちらも趣味で集めたというアジアンアンティークの家具や小物が似合う古民家で、人形たちと暮らし、同好の士と交流する場もつくりたいというのが真山さんの将来の夢。

好きで始めた人形集めが、今では人生を楽しませてくれ、時にはその稀少価値を発揮して、ピンチを助けてくれもする頼もしい相棒であるようです。

■コレクター's データ■
  • コレクション:ドール
  • コレクション歴:約25年
  • コレクション数:330体
  • 費やした費用:約500万円越え(家賃込み)
  • 最高額:120,000円

Information

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