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2015 Mar.27
Be Unique! ~オンリーワンであること~ Vol.11

移動距離地球5周分以上!
〈プラントハンター 西畠清順〉の“今”に迫る

西畠清順さん

『Be Unique!』では、「オンリーワン」な人・企業を訪問。その価値と魅力に迫ります。なぜオンリーワンなのか、どうやってオンリーワンな存在になりえたのか…。そこにはきっと、ほかにはない「夢」や「ストーリー」があるはずです。

今回登場してくれたのは、花と植木の卸問屋「花宇」の五代目、西畠清順さん。“プラントハンター”の異名を持つ西畠さんは、ときには花を求めて絶壁をよじ登り、またあるときには、希少な植物を海外の大富豪へ届けたり…。日々、命がけで植物と向き合っています。「プラントハンターの使命とは、植物の力を借りて人の心を豊かにすること」と語る西畠さんの現在と、次なる夢とは?西畠さんを突き動かし続ける、植物の魅力とともに、お聞きしました。

世界中の植物が共生する、ピースフルな庭をつくりたかった


自身で世界中から集めてきた植物を背に
「実は僕、近所のコンビニでさえ車で行きたいくらい、普段はグータラ(笑)。
でも植物のためなら、地球の裏側、断崖絶壁…、どこでも行ける気がするんです」と西畠さん。

西畠さんが、植物を追って今までに移動した距離は、地球5周分以上。年間に訪れる国は、10~15か国。各国の植物を収集・生産し、依頼者のもとへと届けたり、いけばな・室内緑化・ランドスケープなどのプロジェクトに関わっています。

この日、インタビューを行なったのは西畠さんの東京事務所「そら植物園」がある施設、「代々木VILLAGE by kurkku」。600坪以上ある敷地内では、ミュージックバーやアパレルショップなどが、西畠さんが集めた種々の植物に囲まれて営業しています。西畠さんの仕事のひとつとして、まずは、この庭のコンセプトを紹介していただきました。

「施設のテーマは、“未来の街”。未来の街って、どんなだろう…と考えたときに、ピースフルで緑に溢れた世界がいいなと思ったんです。おじいちゃんも子どもも若者も、音楽を聴きにくる人もカフェに集う人も、みんながともに過ごせる場所。それで、各国を代表する植物が仲良く共生している庭をつくることにしたんです。

100種以上の植物を、国の境なく植え、地域によるゾーニングもしていません。例えば、中国雲南省で発見されたハンカチの木は水が大好きな植物ですが、その根本には、メキシコの砂漠などで見かけるサボテン科のベンケイチュウが生えている…といった具合。すると、見た人は『これ大丈夫なの?』と植物に気持ちが向く。それが狙いなんです。『緑が心地いいね』という程度の興味・感情から、一歩先に進んで欲しい。緑が多い場所はたくさんあるけれど、こんな庭は都内で唯一。とてもメッセージ性の強い庭になったと思っています」

代々木VILLAGE by kurkku ユニークな紹介文
植物には、「植物界のパンダ」「100年に一度咲く花」など、ユニークな紹介文がそえられている。
「動物園て、キリンさん、ゾウさん、カバさん、
それぞれに個性があって、脇役なんていない。ここも同じなんです」とか。

現状のスタート地点は、個人ではじめたブログ

西畠清順さん

「代々木VILLAGE」のように植物をコーディネートする仕事のほか、テレビの密着取材、植物のある絶景を訪れる海外ツアーのプロデュース…と、ここ数年、以前にも増して多忙を極めている西畠さん。ここまで注目を集めるようになったきっかけは、どこにあるのでしょうか?

「プラントハンターとは、もともと、貴族・王族のために希少植物を探してきた人々のこと。『花宇』も、いけばなの家元や世界中の富豪のために動くので、父からずっと『表に出たらいかん仕事や』と言われてきたんです。

でも、ブログをはじめて、人生が変わりましたね。毎日、何万人という人がアクセスしてくれるようになり、7年前、27歳のときに友だちに頼まれ、はじめて取材をOKしたんです。そうしたら、次々に依頼がきた。『この調子やったら来月には、テレビ番組から連絡くるな!』なんて笑っていたら、本当に『情熱大陸』の取材が決まって(笑)。

少し前に雑誌記者の人に、『今、植物ってすごく注目されていますよね?』と言われたんですが、5年前には、誰もそんな風に感じていなかったはず。この仕事をはじめて13年ですが、自分で思っていたことが、段々と形になってきているところです」

最大規模の仕事は、“オーガニックシティ”のプロデュース

庭園を歩く西畠さん

西畠さんが現在手がける仕事のうち、最大級の規模を誇るのが、東京・大崎の都市再開発。集合住宅「パークシティ大崎 ザ タワー」周辺の街路樹から7つの公園に至るまで、多様な植物を配したそうです。

「視界に入る緑の割合を緑視率というんですが、都内で高いといわれているのが、丸の内通りと六本木のけやき坂で、ともに30%台。でも大崎のここは、50%以上。ぶっちぎりの緑の量になります。街路樹も、さまざまな木々を植えました。

日本は街路樹に対する意識が低くて、どこも同じ種類の木が同じピッチで並べられている。でも本当は街路樹って、その国や街を物語るもの。そんなわけでここには、曲がった木や樹齢500年のオリーブの木も植えました。思わず触りたくなったり、子どもが登りたくなったりするような、個性豊かな植物に溢れた景色になります」

大崎の街が完成するのは、5月下旬。西畠さんは、このプロジェクトが終わった後は、「2020年のオリンピックに向けた東京の緑化にも、ぜひ関わりたい」と考えているとのこと。大崎を皮切りに、都市と植物の新しい関係性が、西畠さんの手でプロデュースされていくことになるのかもしれません。

恋愛・世の摂理…。新著の内容は、植物が教えてくれたこと

『プラントハンター 命を懸けて花を追う』(徳間書店)、『そらみみ植物園』(東京書籍)
4月7日発売の新著
『教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント』(徳間書店)は、
『プラントハンター 命を懸けて花を追う』(徳間書店)、
『そらみみ植物園』(東京書籍)に続き、3冊目の著書となる。

今後の夢を尋ねると、東京オリンピックに向けた緑化のほか、「世界中の街路樹の写真集を手がけたい」「絶景植物図鑑をつくってみたい」「植物の博覧会を開きたい」と、さまざまなヴィジョンを教えてくれた西畠さん。その一部は、すでに具体化に向け動き出しているとか。新著『教えてくれたのは、植物でした -人生を花やかにするヒント-』も、そのひとつです。

「植物に接するなかで、いろいろなことを教わってきました。それを、本にまとめたんです。たとえば、『念ずれば花開く』って言葉がある。その意味は、強く願ったらいつか夢が叶うってことだと思いがちですよね。でも植物の生理的な視点からいうと、花は、はじまりの象徴。花のあとに、実をならし種を残すことが目的なんです。

それを知ると、『念ずれば花開く』というのは、強く強く念じればゴールにたどりつけるという意味ではなく、誰でもスタートラインには立てる…ということかなと思えてくる。そんなエピソードのほか、人間関係や恋愛話・お金の話なども、収録しています」

出版のいきさつを、「植物のことを、人に伝えたいという気持ちが強くあった」と語りながら、西畠さんはこんな話も聞かせてくれました。

「僕らは、髪の毛からつま先まで全部、植物でできているんですよ。植物が二酸化炭素を吸収して酸素をつくってくれるから、呼吸ができる。食べているのも植物だし、肉として食料となる動物たちも、植物を食べて育っている。ずーっと昔の祖先も、同じこと。生命があって生まれる文化もアートも、もとをたどると、すべて植物に行きつく。そう思ったら、植物が愛おしく思えてくるんです」

子どもたちに、大切なことを教えられる大人になりたい

プランターに腰掛ける西畠さん

また西畠さんは、最近、「子ども向けの仕事がおもしろい」と感じているそう。NHKの番組『課外授業 ようこそ先輩』で小学生に授業を行なったことが、とても印象深かったといいます。

「メディアに取り上げられた当初は、自分の力を誇示したいとか、お金を稼ぎたい、モテたいっていう気持ちが、心の奥にあったと思います。でも今はすでに、僕には充分すぎるくらい評価されている。そう感じたときに、今度は、『子どもたちに、なにか大切なことを教えられるお兄さんになりたい』という欲求が生まれてきたんです」

ちなみに番組での授業テーマは、「植物の気持ちとつながろう」。今までに、再放送を含め通算7回ものオンエアがあり、大反響の授業となりました。

「授業では、子どもたちに植物の植え替えをさせたのですが、最初はなにも教えずにやらせ、わざと、枯れてしまったときのショックを感じてもらいました。そのあとに正しい方法を教えて。みんなすごく真剣に学んでくれたんですよ。

ネット上の地図や写真で世界中どこへでも行った気分になれたり、クリックするだけで外国のものが買えたり…とか、そういった先端技術は、僕も大好き。ただ、それだけでは頭でっかちになってしまうでしょう?山の上から見た景色なら、自分の足で土の上を歩いて行かないと、感じられないものがあるはず。僕がやっているのは、『山から草抜いてきましたー』っていう、土臭いこと。技術が発達するほどに、きっと、そういう泥臭いリアルが大切になってくると思っているんです」

撮影:蟹由香

Information

西畠清順氏

1980年生まれ。明治元年より150年続く、兵庫県の花と植木の卸問屋「花宇」の5代目。常時取り扱う植物は、3,000種以上。日本初上陸の植物や日本では希少な植物、「花宇」が学名登録した新種などの取り扱いも。2012年1月、人の心に植物を植える活動「そら植物園」をスタートし、個人・企業・団体と、植物関係のプロジェクトを多数進行中。

『教えてくれたのは、植物でした -人生を花やかにするヒント-』

4月7日、徳間書店より発売。西畠さんが実際に経験した、植物からのメッセージをまとめた一冊。

著書にサインを書く様子
サインをいただいた『プラントハンター 命を懸けて花を追う』を含め、
西畠さんの著書は、d-laboで閲覧できます。
代々木VILLAGE by kurkku

今回の写真は、すべて同施設内で撮影したもの。各線の代々木駅から徒歩1分。緑溢れる空間に、カフェやベーカリー、ライフスタイルショップ、レストランなど、こだわりを持つ10店舗以上が集まっている。庭の植物の一部は季節ごとのテーマに合わせて入れ替えが行なわれ、その際には「お庭つくりWORKSHOP」として参加者を募るという、ユニークな試みも。

d-labo静岡

d-labo静岡にある植物は、西畠さんがセレクトしたもの。
ぜひ実物を見に訪れてみてください。

テラスのユッカ ロストラータと室内のオリーブ
テラスのユッカ ロストラータ(左)(上)と室内のオリーブ(右)(下)
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