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2014 Oct.23
『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会 Vol.12

『世界標準の経営理論』

「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として多くの経営者やコンサルタント、若手のリーダー層から支持を集めている『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』。9月3日にd-laboで開かれた読者勉強会では、9月号からスタートした新連載『世界標準の経営理論』の執筆者である入山章栄氏を講師にお招きし、今後2年間つづく連載の内容やその狙いについて解説いただいた。

『世界標準の経営理論』

経営学は3つのディシプリン(学問分野)から構成されている

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

読者勉強会は、d-laboスタッフより、会場となったd-laboの紹介からスタート。その後、参加者全員が自己紹介。岩佐文夫編集長の挨拶とつづき、ゲストの入山章栄氏のプレゼンがスタート。つい先週まで韓国にいたという入山氏が最初に見せてくれたのは学長の代理として参加してきた高麗大学ビジネススクールのカンファレンスを撮影した一幕。アジア地域のビジネススクールの学長たちが集ったこの会合では「理論か実践か」について熱く議論が交わされたという。会合に同席していた欧州の名門ビジネススクールの学長によると、欧米のビジネススクールではすでに20年前に答えが出ていたそうだ。「結論からすれば両方大事。つまりこれが国際標準的な考え方なのです」

入山氏が『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(以下DHBR)』で始めた連載『世界標準の経営理論』はまさにこうした世界標準となりつつある経営学の理論、とくに経営戦略論・組織論を中心とする「マクロ分野」を対象として幅広く、体系的に、かつ読者にわかりやすく伝えていこうというものだ。

経営学のいいところは発想における自由度の高さだ。その理論は主に経済学、心理学、社会学の3つのディシプリンに基づいていて、そこから多くの理論は発表されている。実はこうした内容はMBAでは学べない。MBAの教科書は入山氏によれば「中途半端」。紹介されている実践=フレームワークと理論のバランスが悪いものがほとんどだ。ここで入山氏がサンプルに見せてくれたのはアメリカの3つの大学院で使用されているシラバス。どれも優れた内容だが、やはり偏りがある。なぜそうなのかというと理由は簡単だ。「アメリカではそれぞれの大学が得意としている専門を持っていて、それに応じた理論に強い教授がいる」からだ。それに対して入山氏は慶應義塾大学、Ph.Dを取得したピッツバーグ大学、同大学に隣接しているカーネギーメロン大学、5年間アシスタント・プロフェッサーを務めたニューヨーク州立大学の経験を通じて、それぞれの専門に偏りのない俯瞰的な視点を得ることができたのだそうだ。「だからこそ、この連載ができる」と入山氏。

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

思考の軸となる理論を持つ

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

経営学とは「新しい経営の知」をつくるところ。そのために大事なのが「経営学の理論」だ。せっかく生み出したものなのだから何とか実際のビジネスで活用してほしい。だが、マイケル・ポーターのSCP理論など一部の例外はあるにせよ、ほとんどの経営学者は「それは難しい」と考えている。研究者たちは理論を発展させて自らの学術業績を上げることには興味があるが、それをビジネスに使いやすいフレームワークに落とし込むことにはさほど興味がない。またそれを可能とする媒体も少ない。入山氏が連載でやろうとしているのは前述したようにこの理論を読者に伝えていくことだ。どうして実践ではなく理論なのかは明解。今現在トレンドとなっている技術は古びたり進化したりする可能性があるが、普遍的な理論というものは人間や組織の本質をとらえているので「絶対に古びない」からだ。

「大切なのは思考の軸」と入山氏。軸となる理論をひとつ自分のものとしていれば、それはさまざまな場面で応用がきく。

「『DHBR』は経営学の知識と現実の意思決定や経営分析を結びつける革新的な雑誌です。ここに私の経営理論の連載が加わることで世界的に見てもさらに革新的なものになるはずです」

Information 1

入山 章栄 氏
早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶應義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2003年に同社を退職し、米ピッツバーグ大学経営大学院博士課程に進学。2008年に同大学院より博士号(Ph.D.)を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネス・スクールのアシスタント・プロフェッサー(助教授)に就任。2013年から現職。専門は経営戦略論及び国際経営論。主な著書に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)がある。

Information 2

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー

世界最古のマネジメント誌として知られる『Harvard Business Review』(HBR)の日本語版。1976年の創刊以来、「優れたリーダー人材に貢献する」というコンセプトのもと「実学」に資する論文を掲載。現在は「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として『HBR』の論文の他日本語版オリジナル記事を掲載。時宜に合った特集内容が好評を呼んでいる。

公式サイト
http://www.dhbr.net/