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2014 Jul.8
『六本木ビブリオバトル』レポート Vol.2

プレゼンテーションとはプレゼンターと聴衆との「無言の対話」。想いを共有し、本の魅力を伝えよう!
第8回『六本木ビブリオバトル』in d-labo

自分が読んで感動した本、おもしろさを人に伝えたくなった本。そんなお気に入りの1冊を聴衆にプレゼンテーションし、「いちばん読みたい本」を決める『六本木ビブリオバトル』。

第8回が開催されたのは2014年5月26日(月)。集まったのは3回に分けて行なわれた予選会を勝ち抜いた猛者たち。当日は本戦前の前座を兼ねた予選会でさらに1名を選抜。計7名のプレゼンターが「お気に入りの1冊」をアピールしました。各自の持ち時間はわずかに3分。限られた時間のなかで精一杯自分の想いを伝えるプレゼンターたち。今回は何と「道場破り」のサプライズゲストも登場。会場に響く拍手、笑い声、そして感嘆のどよめき。熱い2時間の「書評合戦」をどうぞ。

プレゼンテーションとはプレゼンターと聴衆との「無言の対話」。想いを共有し、本の魅力を伝えよう!

3分間のプレゼンで「読みたい1冊」を選ぶ

前座の予選会出場者
前座の予選会出場者

第8回『六本木ビブリオバトル』。この日は開始直前に前座を兼ねた予選会を実施。計4名の参加者の中から選ばれたのは、前回の本戦で優勝した中山一朗氏。今回はこの中山氏を含めて7名が優勝を巡って「バトル」を繰り広げることとなった。司会は“コバトシ”こと小林トシユキ氏とハリウッドビューティサロン支配人の鎌田薫氏。まずはd-laboマネージャーの鈴木大介より会場となっているd-laboコミュニケーションスペースの紹介。次いで実行委員の平林友也氏からはイベントの流れについての説明が。そしてアイスブレイクの時間として、来場者全員がそれぞれ隣の人と言葉を交わす「ソーシャルチェックイン」が行なわれた。

司会を務めた小林トシユキ氏と鎌田薫氏
司会を務めた小林トシユキ氏と鎌田薫氏

イベントの流れは以下の通り。各プレゼンターのプレゼンテーションは3分間。3分が経過すると「強制的に終了のベルが鳴る」。その後の1分30秒は隣の者同士でプレゼンの感想を言いあう「ディスカッションタイム」。さらに1分間の質問タイムでプレゼンターに質問。これがプレゼンターの人数分繰り返されることとなる。最後は配られた投票用紙に「自分が読みたい1冊」を記入する。選考の基準はあくまでも「その本を読みたいかどうか」。プレゼンの技術や、「かっこいい」、「かわいい」といったプレゼンターの外見は評価の基準とはしない。

今回のプレゼンターは男性6名、女性1名。一番手は通称「まつけん」こと松述健児氏。バトルは「みなさん、幸せについてマジに考えたことはありますでしょうか?」という松述氏の呼びかけから始まった。

ソーシャルチェックインの様子
ソーシャルチェックインの様子

聴衆の心をつかむ「対話」というテクニック

トップバッターの松述健児氏
トップバッターの松述健児氏

松述氏が紹介した1冊は『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』。「学生時代に起業してから30年間、ずっと幸せについて考えてきた」という松述氏がこの本に出会ったのは今年の正月。最初は「幸せはコントロールできる」といった内容に「本当かな」と思ったという。ただし「半年間実践してみたところ、いい日がつづくようになった」。本の特徴はアカデミックな側面から「幸せ」を研究しているところ。

「みなさんもぜひこの本を読んで幸せになってください」(松述氏)

二番手の木下俊之氏
二番手の木下俊之氏

二番手は木下俊之氏。「みなさんもご存知の『北斗の拳』。あの世界観が現代の世の中に実在しているんです」と語る木下氏が見せてくれたのは『謎の独立国家ソマリランド』。アフリカ大陸にあるソマリアといえば「海賊」や「貧困」といったイメージが強い。1991年に国家が崩壊して以降は「無政府状態」。国内は「平和なエリア」と「乱世のエリア」に分かれているという。本書はそのソマリアをルポした1冊だ。

「ソマリランドとは何なのだろう。僕の脳味噌に強烈な衝撃を与えた本です」(木下氏)

三番手の樋山浩平氏
三番手の樋山浩平氏

次に登場した樋山浩平氏は『幸せは弱さにある いまを生きる「聖書の話」』をプレゼン。「もともと僕らは弱い生き物。では弱いままでは幸せになれないのでしょうか。そんな疑問に答えてくれるのがこの本です」

「心貧しき者は幸いなり」など聖書の言葉を引用した本書には、「これって、みなさん納得しますか?」と問いかけたくなるようなことも多く書かれている。だが、読んでみれば「新しい発見がある」という。

「こんな思想がある。それを知ったことで『心のバネ』が持てた気がします」(木下氏)

四番手の磯部藍氏
四番手の磯部藍氏

つづいての4人目は本日唯一の女性プレゼンターである磯部藍氏。プレゼンは参加者へ向けての「みなさん婚活されていますか?」という質問からスタート。「わたしはこれで結婚しました」という磯部氏が掲げたのは『THE RULES-理想の男性と結婚するための35の法則-』。ベストセラーになっているこの本には「週末のデートは水曜日で締め切る」、「電話は10分以内」など、「常に忙しくなかなか捕まらないミステリアスな女性」を演じ、最終的には「男性を教会まで連れて行く」、つまり「結婚まで持ち込む」ための法則が書かれている。

「男性にとっては女性心理がわかる本。みなさん手にとってみませんか」(磯部氏)

プレゼン・アドバイザーの野村尚義氏
プレゼン・アドバイザーの野村尚義氏

ここで前半のプレゼンが終了し、恒例の講評をプレゼン・アドバイザーの野村尚義氏にお願いした。

「今日のプレゼンを見ていて感じるのは“対話”。プレゼンターが聴衆のみなさんとすごく対話している。一緒に喋っているわけではないけれど、問いかけたり、受け手のみなさんが思っていることを代弁したり、たたみかけたりと、うまくコントロールしながらプレゼンを進めています。深いところで心がつながれば、やっぱり我々はプレゼンターに興味を持つし、その人がすすめる本というのも好きになってゆく。プレゼンテーションとは無言の対話なのかもしれませんね」(野村氏)

プレゼン終了……と思いきや、「道場破り」が登場!

五番手の中山一朗氏
五番手の中山一朗氏

後半の一番手は前座で出場が決まった中山一朗氏。「高齢の父を喜ばせたい」という想いから「歌会始に出て天皇陛下に会おう」と決心した中山氏。今日持って来たのは「日本の伝統文化である短歌とSFが融合した本」である『念力家族』。この本のおもしろいところは、なぜか登場人物全員が「念力」を持っていること。登場人物がそれぞれ学校や仕事場で念力を駆使する様が五七五七七の短歌でおもしろおかしく詠まれている。

「入門編だけどレベルは高い。おかしみと昭和ノスタルジーも感じる本です」(中山氏)

六番手の中野秀俊氏
六番手の中野秀俊氏

6番目のプレゼンターは『六本木ビブリオバトル』実行委員の中野秀俊氏。「ついに自分でも出てしまった」という中野氏の本業は会社経営。「知り合いの経営者から絶対に読みなさいと勧められた」という1冊は、『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』。著者は石川県羽咋市の農林水産課長。この本には限界集落であった市内の神子原地区にブランド米を誕生させ、地区を再生へと導いたアイデアが詰まっている。

「情熱とたったひとつの行動が世界を変える。そう思わせてくれる1冊です」(中野氏)

七番手の金森秀晃氏
七番手の金森秀晃氏

いよいよ最後のプレゼン。森鴎外の『高瀬舟』を紹介してくれたのは金森秀晃氏。不治の病にかかっている弟の自殺を幇助した罪人の姿を描いたこの小説に金森氏が触れたのは20代半ばの頃。手渡してくれたのは末期ガンと闘っていた母親だったという。物語の大きなテーマは「知足」。人は足るを知るべき。病床の母親はこの本を渡すことで悲しんでいる息子に対し、「思いどおりにいかないときは、健康であることやまわりに誰かがいてくれることに感謝して、弱い自分と向きあって生きていく」ということを示してくれたという。

「ぜひみなさんも“知足”という概念に触れてみてください」(金森氏)

道場破りで登場した一人っ子カモシダ氏
道場破りで登場した一人っ子カモシダ氏

プレゼンはこれで終了。そして、すぐに投票が開始された。が、ここで会場には思わぬゲスト=道場破りが登場。大きな拍手で迎えられたのは松竹芸能事務所所属のお笑い芸人一人っ子カモシダ氏。『松竹お笑いビブリオバトル』で「ぶっちぎりの優勝」を果たしたカモシダ氏は、実は「ライブとかテレビのお仕事がないときは本屋さんでアルバイトをしている」という本好きだ。自身のブログで紹介している本は100冊以上。今回はそのカモシダ氏に、プレゼンターと同じく3分間で太宰治の『奇想と微笑ー太宰治傑作選』を紹介していただいた。作家の森見登美彦氏が編者となって選んだ19編は、「暗くて重くて小難しい」という太宰のイメージからは想像もつかないコミカルな作品ばかり。

「シングルのカップリング曲ばかりを集めたような本。太宰が小難しいと思っている人はこれから読んでみるといいです!」(一人っ子カモシダ氏)

投票結果を確認する司会の2人
投票結果を確認する司会の2人

プロの芸で沸きに沸いた会場。投票用紙が回収されたところで、これも恒例の「飛び入りプレゼン」。3名の参加者が名乗りを挙げ、1分間でおすすめ本をアピール。次いで投票結果の発表となった。コバトシ氏と鎌田氏が読み上げた順位は以下の通り。

優勝 中野秀俊氏
第2位 金森秀晃氏
第3位 松述健児氏

見ていて最後まで誰が優勝するかわからなかった今回のバトル。優勝の栄冠に輝いたのは、誰にでも参考になる地域再生を描いた1冊。そして「知足」や「幸せ」といった人が生きていく上で大切なものをテーマにした本が支持を集めることとなった。

優勝の中野氏には賞品としてd-laboからオリジナルカップや本を贈呈。プレゼンター全員でのフォトセッションのあとは実行委員の中里桃子氏が挨拶に立った。

「言いたいことが言えるビブリオバトルは心のオアシスであり楽屋。ここで自分の殻を破ったら、残りの時間は本当の舞台である職場や家庭で頑張ってください」(中里氏)

『六本木ビブリオバトル』は次回もd-laboで開催の予定。白熱の知的エンターテイメントは、最後に参加者を含む全員の記念撮影で終了した。

<第8回ビブリオバトルにエントリーした本>

優勝
『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』(高野誠鮮著/講談社)

第2位
『高瀬舟』(森鴎外著/新潮文庫他)

第3位
『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(前野隆司/講談社)

『謎の独立国家ソマリランド』(高野秀行著/本の雑誌社)
『幸せは弱さにある いまを生きる「聖書の話」』(曾野綾子著/イースト・プレス)
『THE RULES-理想の男性と結婚するための35の法則-』(エレン ファイン、シェリーシュナイダー著/ベストセラーズ)
『念力家族』(笹公人著/インフォバーン)

Information1

六本木ビブリオバトル
~新しい自分を発見できる知的エンターテイメント~

2013年7月にスタートした参加型ブックイベント。本好きなら誰でも参加が可能。

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Information2

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