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2014 Jul.4
『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会 Vol.10

『3つの行動をマネジメントする関わり合う職場が生み出す力』

「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として多くの経営者やコンサルタント、若手のリーダー層から支持を集めている『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』。今回、d-laboで開かれた読者勉強会の講師は、2014年6月号の「特集 最強の組織」に寄稿された神戸大学大学院の鈴木竜太教授。テーマは「関わり合う職場」。個人主義でもなく全体主義でもない、バランスのとれた「関わり合う職場」とはいかなるものか。またどうやったらそんな職場をつくりだすことができるのか。勉強会は講師と約20名の参加者がともに考える有意義な時間となりました。

『3つの行動をマネジメントする関わり合う職場が生み出す力』

個人の創意工夫と仲間同士の助け合い、両方を持つ企業は強い

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

鈴木氏のプレゼンは『ハウス食品』の事例から。『ハウス食品』といえば、誰もが知る食品メーカー。その工場を見学に行ったとき、鈴木氏が目にしたのは、部署の違う者同士が車座になって何かを相談している姿だった。聞けば、カップスープの製造装置を改良できないかどうか、それぞれが意見を出し合っているところだったという。装置の改良自体は大きなイノベーションではない。だが、このように部署の違う者同士が目的を共有しあい、一人ひとりがそれに取り組んでいる会社は強い、と感じた。

「イノベーションや大きな製品開発の話も大事だけど、日頃から仲間と助け合ったりすることも大切。ところが最近の企業は成果主義や個人主義が偏重されて、職場のなかでお互いを助けるということが忘れられています。一方で上から押しつけるだけの滅私奉公的な全体主義にも問題がある。個人主義にも全体主義でもない『関わり合う職場』をどう実現させるのか、それが私の問題意識です」

「関わり合う職場」とは、公共哲学的な考えで言うと、「人のために働きながら自分自身も向上させていける職場」。それぞれが自律的な創意工夫をする一方で、ルールや秩序を守り、仲間を大切にし支援していく、それがひいては業績向上につながる職場。はたしてこんな職場がどれだけあるだろうか。

鈴木氏が例として挙げたのは「人を助けるお節介な会社」だというタマノイ酢や、「数値を見える化した」京セラといった企業。若手を重用し、なおかつ異動の多いタマノイ酢では、互いが助け合わなくては仕事が成り立たない相互依存の職場ができあがっている。また京セラの場合は「見える化」によって自分の仕事がどこの部署と密接につながっていて、どう支えあっているかがわかるシステムとなっている。仕事いうものはけっして1から10までを自分ひとりでこなすものではない。それが実感できれば、「関わり合う」ことの大切さも理解できる、ということだ。

いかにして「関わり合う職場」を生み出すか

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

プレゼン後の質疑応答では10数人が挙手。さまざまな質問が出されるなか、やはり目立ったのは「いかにして『関わり合う職場』を生み出すか」についての問い。そこには「閉鎖的なコミュニティとはせずに3年に一度くらいは異動があること」、「オフィスレイアウトを工夫してみる」などいくつかの方法があるが、実のところ「関わり合う職場」は、「関わり合うこと自体を目的としてつくれるようなものではない」という。たいていの場合は「副次的に生まれるもの」。タマノイ酢にしても京セラにしても、効率化や問題解決などの別の理由から取り組んだものが、結果として「関わり合う職場」を生み出している。

「まずはお互いに知り合わざるを得ないシチュエーションを現場レベルでつくっていくこと。最初は鬱陶しいかもしれないですが、人と協力しあうのは気持ちのいいものです。個人主義で生きている若い世代の人にこそ、こうした思いやりのある職場で働いてほしいですね」

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』読者勉強会の様子

Information 1

鈴木 竜太 氏
神戸大学大学院経営学研究科 教授

神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了後、静岡県立大学経営情報学部専任講師、神戸大学大学院経営学研究科准教授を経て現職。著書に『組織と個人』(白桃書房、2002年)、『自立する組織人:(生産性出版、2007年)、『関わりあう職場のマネジメント』(有斐閣、2013年)などがある。なお「関わりあう職場のマネジメント」は第56回日経・経済図書文化賞を受賞している。

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー

世界最古のマネジメント誌として知られる『Harvard Business Review』(HBR)の日本語版。1976年の創刊以来、「優れたリーダー人材に貢献する」というコンセプトのもと「実学」に資する論文を掲載。現在は「グローバル・リーダーを目指す人の総合マネジメント誌」として『HBR』の論文の他日本語版オリジナル記事を掲載。時宜に合った特集内容が好評を呼んでいる。

公式サイト
http://www.dhbr.net/