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2013 Aug.13
Be Unique! ~オンリーワンであること~ Vol.2

ジャパン・デニム界の巨匠 林芳亨の流儀

『Be Unique!』特集では、毎回、「オンリーワン」な人や企業を訪問。その価値と魅力に迫ります。なぜオンリーワンなのか、どうやってオンリーワンな存在になりえたのか…。そこにはきっと、ほかにはない「夢」や「ストーリー」があるはずです。

今回お話を伺ったのは、国産デニムの黎明期より業界を牽引してきた、デニム界の重鎮、林芳亨(よしゆき)さんです。林さんが生み出すデニムブランド「RESOLUTE(リゾルト)」や企画は常にユニーク。現在関わっているプロジェクトでは、市町村を巻き込んで地域活性に貢献しているとか…。そして、さまざまなメディアに登場しているご自身も、気さくなキャラクターから、多くのファンを持つ存在。林さんが、オンリーワンになり得た理由を探るべく、仕事の流儀を教えてもらいました。あわせて、林さんだからこそ知り得る、デニムの楽しみ方もご紹介します。

ジャパン・デニム界の巨匠 林芳亨の流儀

唯一無二のデニムを生み出すのは、心のこもったコミュニケーション

唯一無二のデニムを生み出すのは、心のこもったコミュニケーション

林さんが、デニムに憧れを抱いたのは、アメリカのホームドラマをテレビで見ていた10代の頃。そしてデザイナーとなってから56歳の今まで、ひたすらデニムと向き合ってきたといいます。現在手がけているのは、「RESOLUTE」。デニム愛好家はもちろん、本物思考の幅広い年齢層から、厚い支持を受けているブランドです。40年以上に渡り、林さんが愛してやまないデニムの魅力とは、なんなのでしょうか?

「デニムは、“履いた人の顔”になる。動作による擦れや、ポケットに財布などを入れていた跡、屋外で過ごすことによる日焼け…。ライフスタイルによって、色の落ちる箇所も早さも違います。シャツやジャケットは、長く着るとヘタってしまうけど、デニムはだんだんと持ち主に馴染んでいく。ほかの服にはない、奥深さがあるんです。」

そう話す林さんがもっともこだわるのは、きれいに色落ちする生地。「RESOLUTE」のデニムは、品質の高い日本製にこだわり、色落ちを追求して生まれたとか。そして、唯一無二のデニムを生み出す舞台裏には、林さんならではのポリシーがあるといいます。

「今、日本のデニム技術は世界一。海外の高級メゾンも、日本の生地を使っている。でも、単に日本で作ればメイド・イン・ジャパンかというと、それは違うと思うんです。」

「僕がデザイナーになったのは、26歳のとき。それまでは営業職をしていて、なんの知識もなかった。だから、工場のおばちゃんたちに話を聞いたり、直接要望を伝えて、サンプルを作ってもらっていたんです。おばちゃんが『仕事しんどいわー』って言ったら、栄養ドリンクを大量に差し入れたりして。」

「週に1回工場に出向くのは、今も同じ。いいものを作りたいなら、ハート・トゥ・ハートのコミュニケーションが欠かせません。自分だけではなく、“みんなでやっている”って気持ちが大切。そういう日本人の愛情と情熱のこもったものこそが、本当のメイド・イン・ジャパン・デニムなんです。」

「RESOLUTE」のデニムは、ステッチなどのデザインがなく、極めてシンプル。だからこそ、穿きこむことで生まれる色落ちが、加工として際立つという。
「RESOLUTE」のデニムは、ステッチなどのデザインがなく、極めてシンプル。
だからこそ、穿きこむことで生まれる色落ちが、加工として際立つという。

インパクトがあるか否かそれが、発想の原点

インパクトがあるか否かそれが、発想の原点

林さんの生み出すデニムの特徴は、色落ちを追求した生地だけではありません。各ウエストサイズに対して、7つのレングスが用意されているのも、こだわりのひとつ。これは、なるべく長さを切らずに、本来の裾の細さのまま、美しいシルエットで穿けるようにするため。また、ラインナップは4型のみ。「何年経っても手に入る、“理想の定番”を作り続けたい」という思いから、流行に左右されない型だけに絞っているそうです。

既成概念に捕われることなく、自身のビジョンを信じて、デニムを生み出す林さん。その発想の自由さは、デザイン以外でも同様です。現在は、「尾道デニムプロジェクト」という町おこしにも携わっているとか。

「これは、デニムの名産地、広島県備後地域にある尾道市が始めたプロジェクト。市に住む有志が、1年間『RESOLUTE』のパンツを穿いて、リアルなユーズドデニムをつくるという企画です。」

参加しているのは、道の駅で働く年配女性から尾道市長まで、幅広い年齢・職業の住民たち。ライフスタイルが多様なだけに、色の落ち方もさまざまとか。完成したユーズドデニムは、ギャラリーでの展示を経て、尾道市内のショップで販売される予定だそうです。行政と住民を巻き込んだ、なんともユニークな町おこし。この斬新な発想は、どこからくるのでしょうか?

「“人と違ったことをやりたい”というのが、企画の原点。せっかくやるなら、『こんな馬鹿げたこと、やってるところがあるんだ!』ってインパクトがなくちゃ。最初は、尾道の人たちに『デニム作ってください』って言われたんだけど、絶対こっちのほうが面白いって、1年間説得したんです。」

「なにかするときに、みんな、金儲けのことを第一に考えちゃうでしょ?それは必要な視点だけれど、違った方向からスタートするのも面白い。僕は、尾道が有名になってくれたら、それでいいと思っているんです。『RESOLUTE』の名前や評判は、後からついてくる。」

デニムの名産地、広島県備後地域にある尾道市が始めたプロジェクト。市に住む有志が、1年間『RESOLUTE』のパンツを穿いて、リアルなユーズドデニムをつくるという企画

アイデアのソースは、遊びのなかにある

アイデアのソースは、遊びのなかにある

「人と違うことを」という思考が、ユニークな企画を生み出すと教えてくれた林さん。そうはいっても、なかなかオリジナリティ溢れる考えは浮かんでこないもの。具体的なアイデアのソースは、どこにあるのかと尋ねると…。

「若い頃は、旅行や車に、ばんばんお金を使いましたね。お金はたくさんあったほうがいいけれど、持っているだけじゃ仕方ない。若いのに、節約のために自炊して…なんて男性を見ると、『酒も飲まんと、なに考えてんねん!』と思いますね(笑)。ちゃんとお金を使って、おいしいものに出会ったほうがいい。そうしないと、自分の気分もあがらないし、“いいモノ”を知ることも、生み出すこともできないんです。」

多くのものを見てきた林さんに、驚きと発想のヒントを与えてくれたのは、海外での経験だといいます。

「洋服のルーツはヨーロッパ。あっちには個性的なセレクトショップがたくさんあるし、国ごとに全然文化が違う。だから、若い頃から何度も見に行きました。見るって行っても、朝から酒を飲んだり、街をプラプラする感じですが(笑)。
20代の頃には、職場でパリに連れて行ってもらったことも。そのとき、ほかのみんなはショップを巡って、ウィンドウに飾ってある商品を写真に収めていました。でも僕は、そういうことはしない。衝撃を与えるものや覚えておく価値のあるものは、自然と脳裏に焼き付くはずだから。そうやって自分の感覚を信じて、いろいろなものを吸収してきたんです。」

そんな林さんに「直感を大切にする方ですか?」と問いかけると、こんな面白いエピソードを聞かせてくれました。

「22歳のときに、大学の学園祭で女の子をひっかけて、『結婚しよう!』って言ったことがありました(笑)。『あんたアホちゃう?!』って返されたけど、翌年には本当に結婚したんですよ。」

自身のインスピレーションに従うこと。これもまた、ユニークな存在であるための秘訣といえそうです。

自身のインスピレーションに従うこと。これもまた、ユニークな存在であるための秘訣

若き日の憧れは今なお、胸のなかに

若き日の憧れは今なお、胸のなかに

自身の理想と直感を信じ、デニム界を牽引してきた林さん。「日本のデニム界では、オンリーワンでありつつ、ナンバーワンの存在でもあるのでは?」と投げかけると、笑いながら「そんなことはない。一番だと思ったら、進化が止まってしまう」と答えてくれました。「憧れは、いつまでも追い続けないと」と語る林さんが抱く、今後の夢とは…?

「僕がカッコイイと感じる人たちはみんな、確固たる自分のスタイルと夢を持っている。ほかの人から見たらどうでもいいことかもしれないけど、デニム屋にはデニム屋なりの夢があるんです。」

「僕が大きな衝撃を受けたのは、中学生の頃、初めて『リーバイス』のパンツを買ったとき。今も夢は、『RESOLUTE』が『リーバイス』が認めるブランドになることです。そして僕が66歳になったときに、アメリカの『リーバイス』で66モデルのデニムを作りたい。クオリティと縫製にこだわって、全部をメイド・イン・ジャパンでやりたいですね。」

「そこで貰うお金は、ちょっとでいい(笑)。お金よりも、夢と“作り出すこと”を突き詰めたいと思っているんです。お金は持って死ねないけど、夢と仲間を持って死ぬことはできるんだから。」

ブランド名「RESOLUTE」は、“毅然たる”という意味。
ブランド名「RESOLUTE」は、“毅然たる”という意味。
「時代に流されるものより、変わらないものでありたい」
という哲学に基づく命名だ。

〈林芳亨のデニムLecture〉

〈林芳亨のデニムLecture〉

今回のインタビューから、デニムの面白さを自分でも感じてみたいと思った人も多いはず。ここでは、そんなみなさんのために、“林さん流のデニムの楽しみ方”をお届けします。

■コーディネート

デニムとひとことで言っても、そのデザインは多岐に渡ります。まずは、林さんの好むデニムとファッション、そしてコーディネートを教えて貰いました。

「ファッションは、スタンダードがいちばんだと思っています。個性やキャラクターは、服ではなく着る人にあればいい。理想は、クセがなくどんな服にも合うデニムですね。」

この日、林さんが着ていたのも、爽やかなブルーに色落ちしたデニムです。

「色は落ちていたほうがきれいに穿けるけど、それまでには時間がかかります。だからオススメは、4本のデニムを使い回すこと。ブルーの濃淡によって、さまざまなコーディネートを楽しめますよ。」

1本のデニムに絶妙なカラーコントラストが生まれるよう、計算されている。
「RESOLUTE」のデニムは、最初はゴワつきのある生地。
穿くごとにだんだんと毛羽が取れ、
1本のデニムに絶妙なカラーコントラストが生まれるよう、計算されている。
左から、新品、6か月、1年、1年半を経たもの。

■洗濯方法

デニム好きにとって気になるのが、手入れの仕方です。これは、林さんもよく聞かれる質問とか。

「一時、『デニムは洗濯・日干ししないほうがいい』という風潮もあったけれど、きれいに穿きたいならば、週に1度は洗うのが正解。破けやすくなるのは、生地が伸び、皮脂がついたままになっているからです。洗うことで伸びた生地がもとのように縮み、丈夫さを保つことができる。また、日光を浴びることでインディゴが鮮やかになり、いい具合に色落ちします。」

「デニムは、使うほどに職人の手に馴染む、道具みたいなもの。いつもの洗濯洗剤でガンガン洗って太陽の下に干せば、それでいい。夏にデニムは暑いという人もいるけれど、湿気と汗が多く紫外線の強い夏は、色落ちさせるには絶好の季節です。」

「色落ちでボタンの形を出したい場合は、掛けた状態で洗濯するのがポイント」と林さん。
「色落ちでボタンの形を出したい場合は、掛けた状態で洗濯するのがポイント」と林さん。

〈林芳亨のデニムLecture〉

■サイズ選び

「スマートに見せたいなら、最初はキツいぐらいのデニムを選ぶのがいい。裾は靴にあたってたるまないよう、短めの丈を選んだ方がすっきり着こなせます。」

そう教えてくれた林さんに、d-laboスタッフがデニムを見立ててもらいました。

「ボタンを締めるのが大変なほど細い! いつものサイズと違って、驚きました」と話すスタッフですが、ジャストサイズを穿くことで、腰回りや脚のシルエットがきれいに見えることがわかります。今回は、過不足ない丈で穿きましたが、林さんいわく「女性なら、裾を無造作に丸めて穿くのもかわいい」とのこと。

スタイリッシュに穿きこなせるデニムが欲しい際には、林さん流のサイズ選びを参考にしてみてはいかがでしょうか?

■ファッションの持つ力とは?

ファッションの持つ力とは?

着こなしやサイズについて話しながら、「難しいことは考えなくていい。たかがデニムや!」と笑う林さん。しかしその一方で、ファッションが着る人の生きざまとつながっていくことも、教えてくれました。

「ジャストサイズの服を着ていると、姿勢や体型にも気を配るようになる。僕はこの歳になってデニムをやるからには…と思って、腕立てを1日600回しています。ボテっとした身体じゃ、説得力が感じられないでしょ?ガキに憧れられるようなストイックな大人になれたら、夢も叶うのかなと思っているんです。
自分のスタイルを確立したいなら、好きだと感じたものをずっと身につけていったらいい。最初はしっくりこなくても、『これは違う、もういいや』と放り出さずに、向き合っていく。そうすれば、だんだんと自分に馴染んでいきますよ。」

Information 1

林 芳亨(よしゆき) 氏

1956年生まれ、デニム・デザイナー。1988年、「Denime(ドゥニーム)」設立にあたり、デザイナーとして参加。同ブランド退職後の2010年より、メイド・イン・ジャパンのブランド「RESOLUTE」を手がける。デニムに対する頑なこだわりと気さくな人柄から、多くのファンを持ち、雑誌・テレビなどへの出演も多数。大阪府在住。

公式ブログ
たかがジーパンや!

Information 2

RESOLUTE

林芳亨さんがデザイナーをつとめる、デニムブランド。どんなコーディネートにも合わせることができる、ベーシックなデザインが特徴。またメイド・イン・ジャパンにこだわり、織布から染め・縫製・仕上げまでの全工程を中国地方の備後地域で行っている。

公式サイト
RESOLUTE Official Site

RESOLUTE

Information 3

尾道デニムプロジェクト

林芳亨さん監修のもと、事業と雇用の創出を目指す企業「DISCOVERLINK Setouchi」が手がける、町づくり企画。主役は、世界でも有数のデニムの産地である、備後地域の尾道。2013年1月から約1年をかけて、住民みんなでリアルなユーズドデニムを創作するという壮大なプロジェクトは、海外メディアからも注目を集めている。

公式サイト
尾道デニムプロジェクト

Information 4

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写真 蟹由香